3月11日、欧州小児・新生児集中治療学会(ESPNIC)呼吸器分科会の元トップであるダニエル・デ・ルカ氏は財新記者に、「ウイルスの核酸検査(訳注:PCR検査など)が陽性だった新生児はいるものの、今のところ小児患者には症状が現れていない」と語っていた。
しかし、直近の1週間で、イギリスでは少なくとも3人の乳児が新型コロナウイルスに感染している。さらに今回の研究によると、新型コロナウイルスに感染した1歳未満の患者のうち、10%超が重症または危篤状態となった。
これと呼応するかのように、3月18日、武漢小児病院などの医療機関が「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)」において、『小児の新型コロナウイルス肺炎感染(SARS-CoV-2 Infection in Children)』という論文を発表した。
同医療機関のチームが1月28日から2月26日にかけて検査を行った1391人の小児のうち、171人の新型コロナウイルスへの感染が確認されたという。そのうち9人は重症または危篤状態となり、3人は集中治療室(ICU)での治療などが必要とされ、生後10カ月の乳児1人が死亡した。
患者の平均年齢は7歳で1歳以下も多い
冒頭の小児科ジャーナル『Pediatrics』の論文によると、2143人の小児患者は平均年齢が7歳。そのうち379人は1歳以下だ。男子(1213人、56.6%)が女子(930人、43.4%)より若干多いが、明らかな差はない。感染確定が731人(34.1%)、感染疑いは1412人(65.9%)だ。
同論文によれば、小児の新型コロナウイルスの感染症状が最も早く確認されたのは2019年12月26日。1月20日には小児の新型コロナウイルス肺炎患者が初めて確認された。その後、患者の数は著しく増加して2月1日前後にピークに達し、それから少しずつ減少した。
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