コロナで情報錯綜「イブプロフェン」何に注意か さまざまな症状に効くが副作用も知っておこう

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一方でアセトアミノフェンを服用するときに気をつけたいのは肝障害だ。日常的に多量のアルコールを飲む人では肝障害のリスクが高まる。アルコールの量については添付文書に記載されていないが、厚生労働省は「節度ある適度な飲酒は1日平均純アルコールで20グラム程度」としている。純アルコール20gはビール中ビン1本、日本酒1合、チューハイ(7%)350mL缶1本などに相当する。この量を超えるような飲酒を日常的にしている人は、アセトアミノフェン服用の際に医師や薬剤師に相談することが勧められる。

また、アセトアミノフェンを高用量服用した場合にも肝障害のリスクが高まる。誰もが陥りがちなのが「うっかり」でアセトアミノフェンを重複して服用するケースだ。

心配や疑問があれば薬剤師に相談しよう

アセトアミノフェンは市販されている多くの風邪薬(商品名:パブロンSゴールドW錠、新ルル-A錠sなど)や、解熱鎮痛薬(商品名:新セデス錠、ノーシン錠など)に含まれている。たとえば風邪薬を飲んでいる人が、熱が出てきたので解熱鎮痛薬を使うといった場合に気づかないうちにアセトアミノフェンの服用量が増えるおそれがある。

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アセトアミノフェンと同じように、熱さましや痛み止めとして使用することが多いイブプロフェンなどのNSAIDsにも、脱水、食事量の減少、空腹時の服用、飲む人の年齢など、副作用発生のリスクを高める「うっかり」陥りがちな落とし穴がたくさんある。

だからこそ、もし自分の判断で使用する際にはメリットだけではなく、リスクも知ったうえで慎重に使用したい。併用薬がある人や、服用に際して不明なことや不安がある場合は、ドラッグストアや薬局にいる身近な医療従事者である薬剤師に遠慮なく相談しよう。

高垣 育 薬剤師ライター、国際中医専門員

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たかがき いく / Iku Takagaki

2001年薬剤師免許を取得。2017年国際中医専門員の認定を受ける。調剤薬局、医療専門広告代理店等の勤務を経て2012年にフリーランスライターとして独立。毎週100人ほどの患者さんと対話する薬剤師とライターのパラレルキャリアを続けている。愛犬のゴールデンレトリバーの介護体験をもとに書いた実用書「犬の介護に役立つ本」(山と渓谷社)の出版を契機に「人」だけではなく「動物」の医療、介護、健康に関わる取材・ライティングも行っている。

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