【足達英一郎氏・講演】世界経済危機下のCSR(前編)

第12回環境報告書賞・サステナビリティ報告書賞
シンポジウム・基調講演より
講師:(株)日本総合研究所 主席研究員、ESGリサーチセンター長 足達英一郎

●世界経済危機のインパクト

 今回の世界経済危機について、グリーンスパン(前FRB議長)が言った「100年に1度」ということをあまり大げさに取り上げるべきではないと思う。しかし、現在の世界経済がどこまで深刻な状況であるかを知っておくことは意味がある。
 図は、IMF(国際通貨基金)が出しているリポートにある「金融ストレス・レベルの比較」というチャートだ。棒グラフが新興国の深刻度のレベルであり、折れ線グラフが先進国の金融ストレス度を表している。
 新興国(棒グラフ)は、現在、1997年のアジア通貨危機のときに匹敵するレベル4から5という水準になっている。一方、先進国(折れ線グラフ)は、最近の10年ほどでは最大のレベル8になっている。アジア危機の後に起こったアメリカのヘッジファンド(LTCM)破綻のときに1つのピークがあり、その後「ITバブル」といわれたNASDAQ市場の崩壊、またエンロン、ワールドコムのコーポレートガバナンスや企業不祥事の問題が出てきたときでも、そのレベルが2くらいだから、今回のストレスはその4倍に匹敵するということだ。

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