【足達英一郎氏・講演】世界経済危機下のCSR(前編)

●戦後初めてマイナス成長になる世界経済と日本

 IMF(国際通貨基金)は、この3月に2009年度の世界の経済成長見通しをマイナス0.5%からマイナス1.0%に下方修正した。しかし、そのわずか1カ月後に、さらにまたマイナス1.3%へと下方修正している。2009年度の世界の経済成長率は、第2次世界大戦が終わって64年が経過して、初めてマイナス成長になるということだ。
 このIMFの予測で、日本はマイナス6.2%で、先進国中最悪のレベルになっている。アメリカから始まった今回の金融危機は、ヨーロッパの信用不安に飛び火し、世界を回ってアジアや日本にやってきたが、その震源地であるアメリカや、ヨーロッパなどよりも日本への影響度のほうが大きいということだ。「失われた10年」の後、自動車や電気機器という日本の輸出産業が景気回復を支えてきたが、先進国の中で一番厳しい経済環境に直面する国になるということだ。

 イギリスのエコノミストが出している「Pocket World in Figures(数字で見る世界)」に、1996年からの10年間に、経済成長をした国としなかった国のランキングが載っている。経済成長の低いほうでは、1位がコンゴ、コートジボワール、ガボンというアフリカの国が並び、年平均0.8%の成長だったとある。このランキングで日本は、下から8番目の年平均1.2%の経済成長しかなかったともある。「失われた10年」の一部がこの時期に重なっているとはいえ、日本は、先進国の中でこれまでも最も経済成長が鈍かったということになっている。ちなみに先進国では、ドイツが下から10番目に入っているだけだ。

 日本総合研究所が5月1日に出した2009年度の経済見通しでは、日本の経済成長はマイナス5.0%と、戦後最大のマイナス成長を予測した。為替レートの水準も90円台半ばから後半と、1ドルが100円を切る水準が続くと予測し、失業率も5%台で推移するという予測を立てている。そして、2010年度になって実質GDPがようやく0.5%のプラスに転じるだろうとしており、あと1年半は、こういう状態が続くと予測している。

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