民法「抜本改正」が鉄道規則に与えた思わぬ余波 見つけた紛失きっぷ、いつまで払い戻せる?

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失くしたきっぷが見つかれば払い戻しを受けることができる(写真:HIME&HINA/PIXTA)

読者の皆さんは列車に乗っていて、降りるときになってきっぷがないことに気付いた経験はないだろうか。ポケットや財布、カバンの中を探しても見つからない場合、同じ金額を払ってきっぷを再発行してもらうことになる。

筆者も30年ほど前、北海道できっぷを紛失して再発行を受けた苦い思い出がある。

後になって失くしたきっぷが見つかった場合には払い戻しが受けられるが、物事には時効というものがある。失くしたきっぷについても時効が決められているのだが、見つかった場合に払い戻しが受けられる期限はいつまでかご存じだろうか。

民法改正で時効のルールが変わる

正解は1年間だ。早々に答えを明かしてしまったが、では、いつから1年なのか。そんな細かい、しかし重要な点についての規定がこの春の民法改正で明確になる。

2020(令和2)年4月1日に民法のうち「債権法」とされる箇所がおよそ120年ぶりに大きく見直される。今回の改正では時効のルール、売買に関するルールなど多岐にわたって変更が加えられる。

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1つの法律が変わる場合、その法律に基づく法律や関連する法律も影響を受ける。そのため関連法令の改正が必要になる場合も出てくる。とくに今回は、契約関係を規律する民法の改正ということもあって、多くの法令の調整や改正が必要となった。

それに対応するため、「民法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」(以下「整備法」という)も制定された。今回の整備法では、法律の所管省庁ごとに第1章から第14章(ただし第14章は罰則に関する経過措置や政令への委任に関するもの)まで定められ、条文数は実に362にも上る。

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