JR東日本「えきねっと」はなぜ使いにくいのか 巨大な座席予約システム自体にも課題がある
JR東日本の指定券予約サービス「えきねっと」の使いづらさが、たびたびネット上で話題になっている。
実は筆者は「えきねっと」を使いづらいとは思っていない。というのも、自宅のパソコンできっぷを予約するときには時刻表を見ながら検索しており、きっぷのルールもだいたいのところはわかっているからだ。駅できっぷを予約するときにも、駅員のマルス(JRの指定席予約システム)端末操作の動きを観察している。
だがそんな人は例外的であり、世の中一般から見れば「変わっている」のだ。一般の人は、きっぷの規則にもあまり詳しくなければ、駅員のマルスの操作など観察してはいないだろう。つまり「えきねっと」は、きっぷの買い方を熟知していないと使いにくいと言えそうだ。
現状では窓口のほうが楽
それならば、一般の人に使いづらいといわれるのはむしろ当然のことである。高度なシステムであっても、利用するのは一般の人である。
6月下旬、ツイッターで「えきねっと」の使いづらさが話題になったことがあった。その中で、交通に関するシステム構築などを行う「トラフィックブレイン」社長の太田恒平さんがなぜ使いづらいのか、その理由を説明していた。そこで、この件について詳しく話を聞くべく、太田さんに会うことにした。
太田さんは鉄道にも詳しく、「えきねっと」がなぜ使いにくいのかを詳しく説明してくれた。
まず、いまだに窓口に人が並んでいるのは、窓口のほうが楽だからと太田さんは言う。窓口の場合、利用者のあいまいな要望を駅員が整理して端末に入力し、発券してくれる。だが、ネット予約の場合は、利用者が自ら意識して考え直し、整理した上で操作し、予約しなければならない。
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