新幹線N700S、試験車と量産車の「超」微妙な違い

2年かけ磨いた技、7月のデビューで本領発揮

JR東海が報道陣に公開した新型車両「N700S」の量産車。7月1日にデビューする(撮影:梅谷秀司)

東海道新幹線で新型車両が営業運転を始める日がだんだんと近づいてきた。

JR東海は2月25日、日本車輌製造豊川製作所(愛知県豊川市)で東海道新幹線の次世代車両「N700S」量産車の搬出作業を報道陣に公開した。N700Sは2007年度のN700系登場以来、13年ぶりとなるフルモデルチェンジ車だ。7月1日にまず5編成がデビューする。2020年度はさらに7編成が加わり、2021・2022年度にそれぞれ14編成の計40編成を投入する計画だ。

同社は2018年3月にN700Sの「確認試験車」を製作。以来、約2年間にわたり、約33.4万㎞に及ぶ走行試験を実施してきた。その間、16両編成を8両編成に変えたり、実際の営業運転ではありえない時速360kmで走行したりと、その都度報道陣に公開して性能の高さと運用の柔軟性をアピールしてきた。

今回お目見えした量産車は「走行試験で得たデータや解析結果を設計にフィードバックして仕様を決定した」(同社担当者)といい、営業運転に向けてさらにパワーアップさせている。

N700Sは従来と何が違う?

N700Sの外観デザインは、注意深く観察しなければ、現在主流の「N700A」と区別がつきにくい。特徴的なのは先頭部の左右両端にエッジを立てた「デュアルスプリームウィング形」と呼ぶデザインだ。

先頭部のエッジが立った形状が特徴だ(撮影:梅谷秀司)

この形状は走行風を整流してトンネル微気圧波や走行抵抗、最後尾の揺れの低減、乗り心地の改善に効果があるという。同社の小牧研究施設での技術開発の成果を反映させた。エッジ部分にある前照灯は新幹線で初めてLEDライトを使用。省エネや照度、視認性の向上を図った。

足元の台車カバーは、台車周辺のスペースを狭くして床下の走行風が流入するのを減らし、降雪時の車両への着雪も抑制できる形状になる。台車とその周りの着雪が多い場所にはヒーターを取り付ける。

JR東海の担当者は先頭車両について「N700Aと比べると外観上は大きな差がないように思えるが、空力性能、雪害対策、前照灯などあらゆる点においてさらに改善された車両だ」と胸を張る。

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