コロナ治療薬「ぜんそく薬」に期待が高まる根拠 感染症学会理事長「増殖抑える感触あり」

✎ 1〜 ✎ 42 ✎ 43 ✎ 44 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

――理事長を務めている日本感染症学会では、新型コロナウイルス感染症の症例が日々報告されています。可能性のある治療薬はありますか?

期待しているのは、ぜんそく薬の「オルベスコ」だ(編集部注:帝人ファーマが販売)。試験管レベルではあるものの、ウイルスの増殖を抑える効果がある薬としてオルベスコも候補に挙がってきた。

ぜんそく薬「オルベスコ」(写真:帝人ファーマ)

学会に上がってきているオルベスコの症例はまだ3症例。症例数が少ないため何とも言うことはできないが、患者の状態や投与条件などのデータ、投与してからの反応を見て専門家は“感じる”ことができる。1例でも3例でも、「これはもしかしたらいい薬かもしれない」という手応え、感触がわかる。

最大の特長は副作用が少ないこと

――これまでは、抗インフルエンザ薬や抗HIV薬などの3薬剤が候補に挙がっていました。これらの薬とオルベスコは何が違うのでしょうか?

上の画像をクリックすると、「コロナショック」が波及する経済・社会・政治の動きを多面的にリポートした記事の一覧にジャンプします

最大の特長は、候補の中で副作用が最も少ないことだ。例えば抗HIV薬の「カレトラ」は吐き気が出ることが知られているし、抗インフルエンザ薬の「アビガン」は、胎児への催奇形性があるため妊婦には使用できない。一方、オルベスコはぜんそく薬として臨床で広く使われてきた経験がある。かなり可能性の高い薬の1つだ。

学会ではこれからオルベスコの観察研究を始める予定だ。投与群と非投与群に分けないので一般的な臨床試験よりも信頼性は劣るものの、現在進行形で拡大が続く段階では、効果があった症例を積み上げることが大事だ。

石阪 友貴 東洋経済 記者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

いしざか ともき / Tomoki Ishizaka

早稲田大学政治経済学部卒。2017年に東洋経済新報社入社。食品・飲料業界を担当しジャパニーズウイスキー、加熱式たばこなどを取材。2019年から製薬業界をカバーし「コロナ医療」「製薬大リストラ」「医療テックベンチャー」などの特集を担当。現在は半導体業界を取材中。バイクとボートレース 、深夜ラジオが好き。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事