がんと診断された私が生きるためにやったこと 広浜千絵氏(フリーランスライター)に聞く

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撮影:ヒダキトモコ

がん患者になったらどう生活すればいいのか。「多重がん体質」の著者は、がんと主体的に共生する生き方を選ぶ。

──罹患(りかん)して15年、「プロがん患者」という印象です。

何より、誰かに頼るのではなく主体性を持って闘病しようと心掛けてきた。

胃がんで手術を受けたのが15年前、乳がんは8年前の経験だ。闘病のノウハウはあるが、医療技術そのものが日進月歩だ。この15年の間に多くの「がん友」と知り合うことができ、この本にはそのうち12人の経験を織り込んだが、その人たちの中には私が経験していないような抗がん剤治療や免疫療法、先進医療を受けた人もいる。

──最新情報が重要なのですね。

友達付き合いをしてもらっている医者も、毎日の勉強で専門だけがやっとと告白している。患者はもっと大変だということになる。医療が進歩することによって選択肢がものすごく増え、ますます迷う。途方に暮れている人たちも少なくないのではないか。

──ご自身も果敢に自ら選択されました。

たとえば、誰かに紹介された医者にかかるとして、どうしてもその医者が持っている情報しかわからない場合がある。そうすると、本来なら10あるかもしれない治療法の選択肢が三つしかないとか。その事実さえ自分で能動的に調べないとわからない。言いなりの治療でも、それが功を奏すればいいが、その治療法次第で命が左右される。そこが怖い。

今回本で紹介した人の中にも、後悔している人がいる。自分で選ぶことだ。誰かに頼ってしまう人は、失敗したときに責任を転嫁する。あの人のせいでこんなことになったと。自分の体のことだから自分で責任を取らないといけない。

──最初の胃がんは痛みがきっかけで判明したのですか。

確かにひどい痛みが出た。もともと慢性胃炎といういわば持病があり、胃薬で抑えていた。そのひどい痛みのときに駆け込んだ病院で、X線写真を撮ったら潰瘍(かいよう)ができているとの診断だった。大きい病院で内視鏡検査を受けたらと勧められ、そこでがんだとわかった。潰瘍を併発しなかったら、進行してから見つかったかもしれない。

よくがんの痛みが怖がられるが、それは末期の症状だ。がんの9割は痛みが出ないといわれているし、私の乳がんのときもしこりだけで痛みはまったくなかった。知らないうちに進行している。検査を受けないとはっきりとはわからない。

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