こういう環境では、マイホームを買うのが「当たり前」というのは、きわめて合理的です。2000万円のマイホームを買って何年か住み、3000万円で売れるのであれば、買わない理由はまったく見当たりません。
そんな時代の「当たり前」から抜け出せていないからか、子供世代の僕たちにも「家を買え」と強くすすめる親御さんが多くいます。また、僕たち世代の中にも「一国一城の主には、持ち家は不可欠だ」と信じて疑わない人が大勢います。僕のところに相談にくるお客さんの中にも、「マイホームを買わない」という選択肢を最初から持っていない方が多くいらっしゃいます。
ですが、残念ながら時代は変わりました。もうすでに、不動産を買値よりも高く売るなんてことがほぼ不可能だということは、ご理解いただけるでしょう。僕たち世代は、「マイホームを買うか、賃貸に住むか」を真剣に検討しなければならないのです。これが、僕たち世代の「当たり前」なのです。
マイホームと賃貸、どっちが得?
こういう話をすると、多くの方が「じゃあ結局、マイホームを買うのと賃貸では、どっちが得なの?」と聞いてこられます。確かに、気になりますよね。どっちが得なんでしょうか?
期待を裏切るようで心苦しいのですが、この問いに対する僕自身の回答は「ケースバイケース」。つまらない答えですが、買おうとしている物件と借りようとしている物件の条件、お客様の資産状況やどれくらいリスクを取りたいのか、などがわからなければ、無責任なことはとても言えません。
では、ファイナンシャルプランナーとして何も言えないかというと、そんなことはありません。「損か得か」以上に、皆さんに知っておいてほしいことがあります。それは、「マイホーム購入は人生最大のギャンブル、賃貸はたんなる消費」ということです。どういうことか、詳しく説明していきましょう。
マイホーム購入は人生最大のギャンブル
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