賃貸は単なる消費行動
では、賃貸のほうがいいのかというと、必ずしもそうは言えません。
一生、賃貸住宅に住むということは、人生最大のギャンブルはせずに家賃を払い続けるということ。つまり、住宅に関しては、消費するだけになります。
先ほども説明しましたが、マイホームを購入した場合、うまくいけば大きな勝ちが見込めます。親世代の多くは、実際に大きく勝ちました。
一方、賃貸派の場合、家賃を払い続けるだけなので、それだけでは「大きく勝つ」ことはありえません。もちろん、大きなギャンブルをせずに消費に徹するというのも、ある意味では健全な考え方ですが、賃貸派の人は、住宅とは別の手段で投資をしていかないと、資産形成ができません。
それを考えずに、漫然と消費だけをしているのでは、やはり老後の家計は非常に厳しいものになってしまうのです。マイホームと賃貸は、まさに一長一短なのです。
マイホームでも賃貸でもない、最良の選択とは?
ここまで、マイホームも賃貸も一長一短で、どちらがいいかはケースバイケースだという話をしてきました。それだけでは、せっかく読んでいただいたのに申し訳ないので、最後にファイナンシャルプランナーとして絶対おすすめの、最良の選択をご紹介しましょう。
この選択は、誰にでもできることではありませんが、条件が整っている方には、ぜひ前向きに検討していただきたいと、強くおすすめします。というのも、この選択肢、条件が整っている方の間でも非常に不評で、検討の俎上にすら上がらない、というケースが多いのです。
その選択肢とは、「親と同居、もしくは2世帯住宅に住む」ことです。
もちろん、実家が遠方にあり、とても同居は無理という場合もあるでしょう。でも、もしもご夫婦どちらかのご両親が通勤圏内にお住まいであれば、それを利用しない手はありません。
奥さん(旦那さん)のご両親と一緒に住むというのは、確かに最初は気詰まりもあるかもしれません。でも、それによって、住宅購入費の数千万円が浮くだけでなく、奥さんが仕事を辞めずにすめば、前回ご説明したとおり1億円以上のメリットがあります。介護の問題も考えれば、家計に2億円近くの余裕が生まれることになります。
一緒に住んでみれば、案外、気詰まりなのは最初だけかもしれません。「お試し」だと思って始めてみて、どうしてもうまくいかなかったら、あらためて考えればいいのです。何と言っても、うまくいったときのメリットは2億円です。トライしてみる価値は十分にあると思うのですが、いかがでしょうか?
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