「38歳からの婚活」を成功させた女性の“機転" “掘り出し物"の夫を射止めたシングル母

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紀子さんと悠太さんの婚活エピソードを聞いて、筆者は2つのことを考えた。

1つは、悠太さんのような独身男性は「たくさん残っているけれど出会いの場には出てこない」という現実だ。ちゃんと働いていて、自活もでき、思いやりのあるコミュニケーションもできるけれど、「女性慣れ」をしていないために職場や男性だけの集まりにこもっている人は少なくない。

昔であれば、職場や近所の「世話焼きおじさん&おばさん」がお見合い相手を紹介したはずだが、自分で行動しない限りは何も起こらないのが現状だ。悠太さんのようにネット婚活をするだけでも勇気が必要なのだ。

結婚相手として大きなポテンシャルがありながら、経験不足のまま埋もれ続けている男性たち。筆者は彼らを「都市鉱山」と呼んでいる。磨けば光る鉱石をいかにして発掘するかを現在、知人らとともに共同研究中だ。成果が出たら本連載でも紹介したい。

条件を緩めれば出会いの幅が大きく広がる

もう1つ注目したいのは、紀子さんと悠太さんがそれぞれ「相手に求める条件を緩めた」ことで出会えた事実について。

50歳までを想定していた紀子さんにとって1歳下の初婚である悠太さんは「願ってもない」男性だった。ただし、紀子さんが最初から「同世代もしくは年下」という条件でプロフィールを作成していたら、どうだっただろうか。全体的に「私が選ぶ。見た目とドキドキ感を重視します!」という空気感が出てしまい、出会いを遠ざけていたと筆者は思う。

どうしても譲れない条件はサラッと書いたほうがいい。しかし、加齢には個人差がある。30代ですごく老け込んで無気力な人もいれば、50代でも若々しく輝いている人もいる。ならば、年齢などはできるだけ幅広く設定したほうがいいのだ。

無駄な条件を解除すれば、出会いの幅が大きく広がる。紀子さんのような幸せな晩婚さんが次々に現れてほしい。

大宮 冬洋 ライター

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おおみや とうよう / Toyo Omiya

1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。著書に『30代未婚男』(共著、NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ともに、ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方』 (講談社+α新書)など。

読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京や愛知で毎月開催。http://omiyatoyo.com/

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