「38歳からの婚活」を成功させた女性の“機転" “掘り出し物"の夫を射止めたシングル母

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紀子さんと息子がリラックスしている様子が伝わったのだろうか。悠太さんは次の予定もすぐに決めてくれた。さいたま市にある鉄道博物館だ。男の子が大好きな場所である。紀子さんが感謝したところ、「僕が行きたいんです」と悠太さん。完璧な答えだ。紀子さんも覚悟を決めた。

「この人がいいかもと思った時点で、ほかの男性とのやりとりはやめました」

そして、3回目のデートで悠太さんは告白をしてくれた。いいリズムである。彼にすっかり懐いていた息子が「うちに来て」と誘い、悠太さんが紀子さんの家に泊まるのもスムーズな流れだった。

結婚とほぼ同時に2人の間に娘ができた。その子もそろそろ2歳になる。紀子さんは今、安心と自由に包まれるような生活を送れている。

「私の外見や料理を誉めてくれますし、帰りが遅くなることもある仕事にも理解してくれています。たまに外出するときは『家のことは気にしないで飲んできていいよ』なんて言ってくれるんです。でも、私は彼にやりたいことをやってほしいなと思っています。最悪の場合、私は自分の稼ぎだけで生きていけるからです」

今度は母親も賛成してくれた

かつて紀子さんの結婚に大反対した母親も今度は賛成してくれた。彼と孫が仲良くしているのを目の当たりにして、「バァバは何も言えないわよ~」と目を細めているという。憎めない人だ。

ただし、何の問題もない結婚生活などありえない。息子はときどき「前のパパはどうしているの?」と紀子さんに聞いてくるのだ。

「いつか会いたいと言われたときに困らないように、その人との縁は切っていません。そのことは夫にも伝えて了解してもらっています。もちろん、私が個人的に会ったりはしていません」

息子がいずれ実の父親に会ったとき、自分には2人の父がいることが喜ぶ日が来るだろうか。育ての父である悠太さんの度量ならば大丈夫だと思う。

「彼のような人が(婚活の場に)残っていてくれてよかった、としみじみ思います」

悠太さんにも残っていた理由はあるようだ。紀子さんによれば、悠太さんは以前から婚活サイトに登録していたが、すぐに交際を迫ってくるような「変な女性」にしか会えなかった。そこで相手への希望条件を「バツイチ、子ありOK」に変更したところ、サイトの自動おすすめ機能で紀子さんのプロフィールが表示されたのだ。

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