「ベンツ乗りの浪費家」が結婚で到達した新境地 14歳下の「対等な妻」がもたらした価値観

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お互いが本性をさらけ出し結び付きが強まった、年の差夫婦のお話(イラスト:堀江篤史)

35歳以上で結婚した“晩婚さん”の中には10歳以上、年齢が離れた夫婦も少なくない。数多くの年の差カップルを取材させてもらって思うのは、年齢差がそのまま上下関係になっていない夫婦のほうが関係は良好に続きやすいこと。むしろ、年下がしっかりしていて、年上のパートナーをかわいがっているような組み合わせがいいと思う。

落合将司さん(仮名、57歳)と幸恵さん(仮名、43歳)の夫婦はまさにそんなカップルだ。取材場所に指定した東京・大手町のカフェには、おそろいのジーンズでやって来てくれた。将司さんは年相応の外見だが、オシャレなジーンズに加えて赤い花柄のシャツがよく似合い、音楽業界の人のように見える。幸恵さんのほうは結婚して15キロも太ってしまったらしいが、将司さんは「ポッチャリ好き」なので問題はない。

夫の将司さんはボケ役の芸人のよう

まずは将司さんの話から聞こう。関西が本社のIT系大企業で正社員として長く働いてきた将司さんには離婚歴がある。前妻は1歳年上の元同僚で、25歳から50歳までの結婚生活だった。出会いと別れについて聞いても、「若かったから結婚した」「徐々に仲が悪くなった」と口が重い。この取材は将司さんが出演申し込みフォームから連絡してくれて実現したのだが……。

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「結婚してたときは楽しかったんやろ!? 私に気遣わんでもええねん!」

隣で静かにしていた幸恵さんがきつめの大阪弁で叱り始めた。目は笑っている。将司さんはボケ役の芸人のようなトボけ顔だ。ああ、お決まりのネタだったんですね。でも、インタビューを続けさせてください。

「40歳になった頃、前妻がうつを患ったんです。最終的には『あなたと一緒にいたくない』と言われて、それならば別れようと。1人暮らしは寂しかったけれど、結婚はもういいかな、と思っていたんです。でも、彼女はほしいなと思って婚活サイトに登録しました」

それが53歳のときである。悪く言えば優柔不断、よく言えばフットワークと柔軟性が高そうな男性である。ここから先は、話したくてうずうずしている幸恵さんにバトンタッチしてもらおう。

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