「仕事と家事育児」で倒れそうな母がすべきこと 「自分を後回し」にする人に欠けている視点

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というのも、母親が不機嫌になると、家庭が暗くなることに気づいたからです。私はあるとき「自分が上機嫌でいないとこの家は成り立たない」と悟りました。思い上がりに聞こえるかもしれませんが、私の機嫌が家族に与える影響が大きいというのは、よく夫からも言われますので、客観的にも一理あると思います。

清水 久三子(しみず くみこ):アンド・クリエイト代表取締役社長・人材育成コンサルタント大手アパレル企業を経て1998年にプライスウォーターハウスコンサルタント(現IBM)入社。企業変革戦略コンサルティングチームのリーダーとして新規事業戦略立案・展開プロジェクトをリード。その後専門領域を人材育成分野に移し人事・人材育成の戦略策定・制度設計・導入支援などのプロジェクトをリード。「プロを育てるプロ」として知られている。(写真:清水久三子)

誰だって、暗い家庭にはしたくないですよね。そのためには、まず私自身が自分の機嫌を取らないといけない。そのことに対して引け目を感じるのではなく、親としての義務だと考えているのです(笑)。

出産後は自分の時間を作ることはままならないものですが、あえて自分の好きなことをやる時間を作ることにしました。週1回シッターさんに定期的に来てもらうようにして、育児期間中や復職後にあえて、趣味や執筆の仕事など自分のやりたいことを我慢せずに挑戦することにしたのです。

こういう時間を持つことで、自分がすごく満たされていくのがわかりました。逆に自分を犠牲にして家族のために尽くすだけの生活を送っていたら、自分がどんどん不機嫌になって、わが家は暗い家庭になっていたかもしれません。

責任をもって自分をメンテナンスする

私が出産後にこうした生活スタイルを選んだのは、外資系企業に勤めていて、ワーキングマザーの先輩からシッターさんを使ったほうがいいと勧めてもらっていたからです。「1人で抱え込もうとすると倒れるからやめなさい」「あなたが倒れると家族は大変なことになる。だから、自分が倒れないでいるためにあらゆる手を尽くしなさい」とアドバイスをもらいました。その教えに忠実に従ったというわけです。

シッターさんを呼ぶのは、本当に手が回らなくなったときや、仕事に穴を開けられないなどやむをえない事情が発生したときに限ると思っている方もいるかもしれませんが、私がオススメしたいのは、週1回など定期的に来てもらうことに加え、月に1回半休をとることです。「しんどいから助けて」とシッターさんに来てもらうのではなく、定期的に来てもらうことで自分の時間を確保するのです。

半休も同様です。本来、有給休暇は理由を会社にいう必要のない休みです。月に1回程度の半休なら直前の申請でなければ仕事への影響も少ないでしょう。平日昼間は休日よりも混雑が少なく時間も有効に使えるのでおすすめです。

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