試合前に飲んだ風邪薬がドーピングになる理由

どの薬が禁止対象になるか事前確認が大切だ

たまたま飲んだ風邪薬やサプリメントが原因となり、ドーピング検査が陽性になる「うっかりドーピング」がスポーツ界で起こっています(写真:ナオ/PIXTA)
オリンピックや世界大会でメダルを取った選手が、「ドーピング違反によりメダル剥奪」といった残念なニュースは、後を絶ちません。勝利に執着するあまり、禁止薬物を使ったドーピングに走る選手たちがいることは、スポーツ界において大きな問題です。その一方、ドーピングとは無縁の選手が、たまたま飲んだ風邪薬やサプリメントが原因となり、ドーピング検査が陽性になるといった「うっかりドーピング」の悲劇も起きています。そこで、正しいドーピング防止の知識や、薬の選び方・使い方を相談できる「スポーツファーマシスト(薬剤師)」について、日本スポーツ医学財団理事長の松本秀男医師に教えてもらいます。

過去には国の威信をかけたドーピングも

オリンピックやプロスポーツなどの大会では、トップアスリートたちが卓越した身体能力を発揮して輝いています。しかし、その華々しい舞台の裏側には、ドーピングという闇の世界が潜んでいます。

ドーピングとは、競技力を高めて優位に戦うために、禁止されている物質や方法を使用したり、その使用を隠蔽したりする行為です。その歴史は長く、19世紀後半に麻薬や興奮剤が使用されるようになりました。旧共産圏国などでは、国の威信をかけた国家ぐるみのドーピングも行われていました。

当記事は、AERA dot.の提供記事です

ドーピングは、ときに選手の身体に深刻な悪影響を及ぼします。過去にはドーピング薬物の副作用により、死亡した選手もいるのです。それでもなお、ドーピングは後を絶たず、最近ではスポーツが商業化した結果、巨額の褒賞金を得るために勝利至上主義に走る選手たちもいるのが実情です。

ドーピングは「スポーツのフェアプレーの精神」に反する、許されざる行為。ドーピングが行われれば、競技スポーツ自体の存在価値はなくなります。スポーツの価値を守るために、また選手を健康被害から守るためにも、ドーピングは排除されなければなりません。

ドーピング行為に反対する、アンチ・ドーピング活動を推進するための組織として、世界アンチ・ドーピング機構(WADA)が設立されました。WADAは世界中の人々が公平で公正なスポーツに参加できるよう、世界アンチ・ドーピング規程(World Anti-Doping Code、以下Code)という、全世界・全スポーツで共通のルールを作っています。日本では、日本アンチ・ドーピング機構(JADA)が設立され、アンチ・ドーピングの活動を展開しています。

次ページ「うっかりドーピング」でも同様に罰せられる
ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 実践!伝わる英語トレーニング
  • 晩婚さんいらっしゃい!
  • 野口悠紀雄「経済最前線の先を見る」
  • 最新の週刊東洋経済
トレンドライブラリーAD
人気の動画
ホンダ「4代目フィット」がイマイチ売れていない理由
ホンダ「4代目フィット」がイマイチ売れていない理由
京セラのガラパゴススマホ「トルク」がたどり着いた境地
京セラのガラパゴススマホ「トルク」がたどり着いた境地
「人のために働く職業ほど低賃金」な根深い理由
「人のために働く職業ほど低賃金」な根深い理由
「半導体パニック」自動車産業に与える巨大衝撃
「半導体パニック」自動車産業に与える巨大衝撃
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
激動相場に勝つ!<br>株の道場

6月18日発売の『会社四季報』夏号が予想する今期業績は増収増益。利益回復に支えられる株価が上値を追う展開になるか注目です。本特集で株価が動くポイントを『会社四季報』の元編集長が解説。銘柄選びの方法を示します。

東洋経済education×ICT