試合前に飲んだ風邪薬がドーピングになる理由

どの薬が禁止対象になるか事前確認が大切だ

今や世界的な流れとして、メジャーな競技大会では、競技や記録の公正さを保つために、厳正なドーピング・コントロールが実施されています。日本でも、国内競技連盟の会員機関・関連機関(クラブ、チーム、団体またはリーグを含む)が主催する試合の参加者らに適用されています。

「うっかりドーピング」のことを注意喚起しておく必要があるでしょう。ドーピング防止規則違反というのは、それが意図的なものでも、うっかりの不注意であっても、同様に罰せられます。薬局やドラッグストアで手軽に手に入る市販薬の中には、禁止物資が成分として含まれているものが少なからずあるのです。

例えば、風邪薬や鼻炎薬に含まれるエフェドリンや胃腸薬に含まれるホミカエキス、強精剤に含まれるメチルテストステロンなどが該当します。また、麻黄(まおう)、附子(ぶし)、細辛(さいしん)などの生薬が含まれる漢方薬にも、禁止物質が含まれるため注意が必要です。なお、漢方薬についてはすべての成分がわからないため、服用は避けるべきです。成分がはっきりわからないサプリメントも、禁止物質が含まれる危険性があるため、摂取するべきではありません。

もし選手に持病がある場合には、病院で、例えばぜんそくではベータ2作用薬、糖尿病ではインスリンなどの禁止物質である薬物が使われることがあります。そのような場合には、主治医を通じて国際的レベルの競技者は国際競技連盟(IF)に、国内レベルの競技者はJADAに「治療使用特例(TUE)」の申請をすることによって、厳密な判定のもと治療目的に限定して使用が認められる場合があります。禁止表にある物質をTUEなしで使用した場合には、ドーピング違反となってしまいます。

日本スポーツ協会のホームページには、安心して使用することができる処方薬と市販薬の例が「アンチ・ドーピング使用可能薬リスト」としてあげられています。参考にしてください。

薬を相談できるスポーツファーマシスト

2009年から、日本薬剤師会とJADAが協力し、薬剤師が取得できる資格として公認スポーツファーマシスト認定制度ができました。公認スポーツファーマシストは、薬剤師がさらにJADAが定める所定の課程を修了して認定されており、その数は2019年4月1日現在で9530人となっています。

薬の選び方や使い方がわからないときは、最新のドーピング防止規則に詳しいスポーツファーマシストに相談することができます。JADAのホームページから、検索が可能です。また、各都道府県の薬剤師会アンチ・ドーピングホットラインでも、FAXによる問い合わせを受け付けています。

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