米民主党が選ぶのはバイデンかサンダースか スーパーチューズデー後の指名争いの行方

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とはいえ、前述のような欠点があり、テレビ討論会などで戦況が変わることもあり得る。直近では3月15日にテレビ討論会が行われ、「バイデンvs.サンダース」の直接対決が繰り広げられる予定で、直後の17日開催の予備選の行方に影響することは間違いない。サウスカロライナ予備選でのバイデン勝利からスーパーチューズデーまでの3日間で民主党穏健派がバイデンのもとに団結して、予備選の戦況が激変したように、今後も何が起こるかはわからない。

スーパーチューズデーを終え、まだ開票作業が続くカリフォルニア州の結果次第ではあるものの、現時点ではバイデンとサンダースがこれまで獲得した誓約代議員数に大きな差はない。仮に接戦が続いた場合、民主党公認候補の決定は7月13~16日にミルウォーキー市で開催される民主党全国大会(党大会)までもつれ込む可能性が残されている。

党大会までもつれ込むとバイデンが指名される

党大会では1回目の投票で3979人の誓約代議員の過半数(1991人)を獲得した候補がいれば、公認候補として指名される。しかし、過半数を獲得する候補が誰もいなければ、いわゆる「競争による党大会」となり、2回目の投票に進む。2回目以降の投票では新たに771人の特別代議員が参加可能となり、計4750人の代議員の過半数(2376人)を獲得した候補が公認候補として指名される。なお、2回目以降はもともとの3979人の誓約代議員はどの候補を支持しても構わない。

特別代議員は民主党の議員、知事、党幹部などから構成され、どの候補にも自由に投票ができる。特別代議員は基本的にはエスタブリッシュメントであり、サンダースとバイデンが競争による党大会で競う場合はバイデンを支持することが見込まれる。仮に党大会もつれ込みの場合、次の2つのシナリオが考えられる。

1つ目はサンダースが予備選でバイデンを上回るも過半数(1991人)の誓約代議員を獲得できず相対多数のまま、党大会にもつれ込むケースだ。その場合、競争による党大会で2回目の投票以降にサンダースは指名獲得できず、バイデンが特別代議員などの支持を得て過半数の代議員を獲得して指名される可能性がある。

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