バイデン氏「逆転」でも混迷する民主党候補選び

サンダース氏を警戒、企業はトランプ支持

2020年2月のテレビ討論会で激論を交わす、バーニー・サンダース上院議員(左)とジョー・バイデン前副大統領(写真:ロイター/アフロ)

11月のアメリカ大統領選に向けた野党・民主党の候補者争いで、全米14州で予備選を一斉に行う「スーパーチューズデー」の投票が3月3日に行われた。

序盤の予備選で劣勢だった穏健派のジョー・バイデン前副大統領が猛烈に挽回。これまで圧倒的優勢と見られていた左派のバーニー・サンダース上院議員を逆転する勢いを見せている。

3月4日21時時点(日本時間)では、バイデン氏が14州のうち10州で得票数トップとなり、サンダース氏の4州を上回っている。ただ、得票数に比例して配分される代議員数の多いカリフォルニア州ではサンダース氏が優勢を保っているほか、テキサス州でも僅差で2位につけている。累計の代議員数でバイデン氏が逆転したとしても、まだ大差でリードしているとまでは言えない状況だ。

「サンダース優勢」で穏健派が団結

バイデン氏反撃の最大の要因は、穏健派のピート・ブティジェッジ氏とエイミー・クロブシャー氏がスーパーチューズデー直前に選挙戦からの撤退を決め、2人ともバイデン氏支持に回ったことだ。民主党支持層の中では依然として穏健派が主流で、サンダース氏の独走に危機感を抱いた穏健派が、トランプ大統領の打倒に向けて一致団結し始めた。

「サンダース氏は、エレクタビリティ(共和党に対する勝利の可能性)という点で民主党穏健派から危険視されていた。公的資金による国民皆保険など同氏の公約には財源の面で大きな疑念があり、富裕層増税などで足りないところは経済成長で何とかなるといった楽観論に支えられている。こうした眉唾の政策では(本選挙の勝敗のカギを握る)無党派層から敬遠される可能性が高く、このままでは大統領選と同時に行われる上下院選でも民主党は敗北してしまうという危機感が高まっていた」

2008年から2017年まで丸紅ワシントン事務所長を務め、現在もアメリカの政治経済情勢を分析している今村卓・丸紅経済研究所所長は指摘する。

次ページサンダース氏の筋金入りの政治姿勢
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事
  • コロナショックの大波紋
  • コロナショック、企業の針路
  • iPhoneの裏技
  • コロナ戦争を読み解く
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
大手不動産がこぞって参戦<br>「シェアオフィス」ブームの内実

テレワークや働き方改革の浸透で存在感を高めているのが「シェアオフィス」です。大手から中小まで多数の参入が相次いでいますが、目的はさまざま。通常のオフィス賃貸と比べた収益性も事業者で濃淡があり、工夫が必要です。