日本人ネイリストが海外セレブに指名される訳 マドンナやレディ・ガガを夢中にさせている

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「サロンに来てくれていたお客さんの中に、すごく有名な美容室で働いている美容師さんがいたんです。ある日、彼女と一緒に働いている同僚が、『あなたのネイル、誰にやってもらったの? そのネイリストを紹介して!』という流れで、ある映画の仕事を依頼されたんです」

こうして決まったのが、映画『セックス・アンド・ザ・シティ シーズン2』で、サマンサ役を演じたキム・キャトラルのネイルだった。衣装ごとに変えて作られた直美さんのネイルは、映画の世界をさらに鮮やかに彩った。

「運は人が運んでくる」という言葉を聞いたことがあるが、まさに直美さんのキャリアは、人との出会いや縁でどんどん広がっていったのだ。

「一流」に指名され続ける理由とは?

とはいえ、ニューヨークには世界中から数多くのネイリストが集まる。その中で、直美さんはなぜ一流からこんなにも指名され続けるのか。

理由を尋ねると、「どんなリクエストにも素早く臨機応変に対応できるから、また呼んでくれるんだと思います」と答えた。

セレブリティーの1日は、とにかく忙しい。そのため、メイクもヘアも、ネイルも同時並行で行われる。

Kenzoのショーのネイルも担当(写真:安田直美さん提供)

「現場はチームワークが大事。ネイルだけ時間がかかって、ほかの人に迷惑をかけるのは嫌なので、事前にしっかり準備をしていきます。エクステ(長さ出し)をするなら、その形にネイルチップを作っておいて当日は貼るだけにするとか、時間を有効に使えるようにしていますね」

また、ただ素早くネイルを仕上げればいいわけではない。ファッションやヘアスタイル、メイクに合うように、トータルでコーディネートしなければならないので、当日のスタイルを見て瞬時にネイルのデザインを考えなければならない。かつ、目の肥えたクライアントが求めるクオリティーを、つねに提供しなければならない。

「ネイルのプロとして呼ばれているのだから、どんなリクエストをされても応えられるよう、大きなスーツケース2つに、すべてのネイル素材や道具を持っていきます。『あれがあったらよかった』と後悔したくないし、私は『できません』と言うのが嫌なんですよ」

また彼女は、仕事に対してとても謙虚だ。

「いつも思うのは、私より優れたネイリストなんて、ニューヨークにいっぱいいると思うんです。それでも私に仕事を依頼してくれたんだから、どんなときも自分の100%を出し切りたいんです」

一つひとつの仕事に対して、徹底的に準備をし、つねに全力投球。そういった彼女の努力やプロ意識が、一流から指名され続ける大きな理由なのだろう。

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