日本人ネイリストが海外セレブに指名される訳 マドンナやレディ・ガガを夢中にさせている
「『私は英語が話せないのですが、大丈夫ですか?』と聞いたら、その方はすごく朗らかな方で、笑いながら『なんとかなるから、大丈夫、大丈夫!』とおっしゃって(笑)。それですぐに、彼女のヘアサロンで働き始めることになったんです」
ヘアサロンの一角にテーブルを置き、そこでネイルサロンを始めた直美さん。でも、最初はお客さんなんて1人もいなかった。
「このままではお客さんは来ないし、どうしよう……と悩みました。でも、当時はまだツイッターやインスタグラムなどのSNSもない時代だったので、ポスターを作っていろんな所に貼ってまわったんです」
すると、そのポスターを見たお客さんが、1人、2人とサロンに来るようになった。それから、直美さんのネイルアートは口コミで広がり、次々とお客さんがやってくるように。
「私がニューヨークに来たばかりの頃は、日本のネイルのほうがアメリカよりもずっと進んでいました。日本のネイルの繊細なデザインは、アメリカでは珍しかったみたいで、口コミで広がっていったんです」
また当初は英語がまったく話せなかったとのことだが、仕事には支障をきたさなかったのだろうか。
「最初は英語ができず、とても苦労しました。やはりお客さんとコミュニケーションがとれないとつらいですし、自信をなくすこともありました」
でもそんな中でも直美さんは、「今日はどんなネイルにしますか?」「何色がいいですか?」など仕事でよく使う基本的な英語のフレーズを覚えて、積極的にお客さんとコミュニケーションをとるよう努めた。
「あとは働きながら、お客さんや一緒に働いているアメリカ人に、その都度英語を教えてもらいました。そうやって、どうにかこうにか仕事ができるようになりました」
セレブリティーとの仕事は、ある出会いから
少しずつお客さんは増えていき、ニューヨークでの仕事にも慣れていった直美さんだったが、ニューヨークは物価が高い街。次第に貯金も尽きていき、「もう日本に帰ろうかなぁ」と思っていたとき、直美さんにあるチャンスが訪れた。
「友人とカフェでお茶をしていたら、友人の知り合いがたまたまお店に入ってきて、『あなたのネイル、どこでやったの?』と聞いてきたんです」
直美さんが、「私はネイリストで、自分でやったんです」と答えたところ、「私はメイクアップアーティストで、あなたを私のクライアントに紹介したいから、明日の撮影に来れる?」と彼女。
次の日行ってみると、なんとレディ・ガガの撮影の仕事だった。当時は、まだレディ・ガガがデビューしたばかりの頃。そのため、直美さんはまだ彼女の存在を知らなかったが、撮影に呼ばれてネイルを施したところ気に入られ、それから撮影があるたびに呼ばれるようになっていった。
さらに、レディ・ガガのヘアスタイリストやメイクアップアーティストから紹介され、アリシア・キーズをはじめ、さまざまなセレブリティーと仕事をする機会が増えていった。
また同時期、ネイルサロンに来ていたお客さんからも、セレブリティーとの仕事を頼まれるように。
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