ソフトバンクG、巨額調達で注目される使い道 子会社の株式を担保に5000億円を借り入れ

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ソフトバンクグループは、経営不振に陥ったアメリカのウィーカンパニーに計1兆円規模の支援を予定している。著名アクティビスト、米エリオット・マネジメントが200億ドルの自己株買いを要求しているが、この対応については2月12日の決算会見で孫正義会長兼社長は明言を避けた。一方で、社債償還は高水準で、2021年度は1兆3056億円、2022年度は5010億円の償還が控える(2019年12月末時点)。

社債のリファイナンスは新規の社債発行が基本だが、手元資金に加えて、資産売却や今回のようなノンリコースのマージン・ローンなどさまざま調達手法の組み合わせで成長投資の資金を確保している。今回のソフトバンク株を利用した資金調達はこの一環で行われた。

調達手法の組み合わせが重要に

ソフトバンク・ビジョン・ファンドの1号が投資したウィーカンパニーが不振に陥ったことから、現時点では2号の設立が見送られている。とはいえ、「これだ」と孫社長が思いを定めれば大きな資金を投じるのがこの会社の特長だ。そうした意味で言えば、資金需要が旺盛なことに変わりはない。

軍資金の確保や流動性の保持という観点から、アリババ株やソフトバンク株のような虎の子ともいえる資産を活用した資金調達は今後もあるのか。前出のムーディーズ・ジャパンの柳瀬氏は「担保付きのローンが増えると、無担保社債がより劣後する。そうなると無担保社債の格付けが下がることは今後ありうる」と指摘する。格付けが下がれば調達コストが増すだけに、調達手法の組み合わせがより重要になりそうだ。

山田 雄一郎 東洋経済 記者

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やまだ ゆういちろう / Yuichiro Yamada

1994年慶応大学大学院商学研究科(計量経済学分野)修了、同年入社。1996年から記者。自動車部品・トラック、証券、消費者金融・リース、オフィス家具・建材、地銀、電子制御・電線、パチンコ・パチスロ、重電・総合電機、陸運・海運、石油元売り、化学繊維、通信、SI、造船・重工を担当。『月刊金融ビジネス』『会社四季報』『週刊東洋経済』の各編集部を経験。業界担当とは別にインサイダー事件、日本将棋連盟の不祥事、引越社の不当労働行為、医学部受験不正、検察庁、ゴーンショックを取材・執筆。『週刊東洋経済』編集部では「郵政民営化」「徹底解明ライブドア」「徹底解剖村上ファンド」「シェールガス革命」「サプリメント」「鬱」「認知症」「MBO」「ローランド」「減損の謎、IFRSの不可思議」「日本郵政株上場」「東芝危機」「村上、再び。」「村上強制調査」「ニケシュ電撃辞任」「保険に騙されるな」「保険の罠」の特集を企画・執筆。『トリックスター 村上ファンド4444億円の闇』は同期である山田雄大記者との共著。

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