ソフトバンクG、巨額調達で注目される使い道

子会社の株式を担保に5000億円を借り入れ

2月の決算会見でソフトバンクグループの孫正義社長は「潮目が変わった」と強調(撮影:尾形文繁)

ソフトバンクグループが2月25日に5000億円の借り入れを行った。融資期間は2年で、1年延長できるオプション(権利)が付いている。

ほかの大手上場企業には見られないポイントはその調達方法だ。グループで保有している国内通信子会社・ソフトバンク株のうち約3分の1(9億5300万株)を担保にして金融機関から融資を受けた。

これはマージン・ローンと呼ばれる手法で、5000億円の借り入れは日本国内で最大規模とされる。2018年に上場したソフトバンクは、グループの中で最もキャッシュを生み出す親孝行子会社。その株を担保に差し出したのだから穏やかな話ではない。

だが、ソフトバンクグループにしてみれば多様な調達手法の1つにすぎないようだ。今回の案件について、「銀行のデマンドもオーバーサブ(スクリプション)で、日本株を活用したノンリコース・マージン・ローンの成功案件と認識している」(広報室)とする。

「デマンドがオーバーサブ」とは、金融機関から予想以上の需要(融資の提案)があったことを指す。「ノンリコース」とは非遡及型と言われるもので、返済が滞ってもソフトバンクグループに法的な返済義務がない。

返済が滞れば銀行は担保株を売却

実際に金融機関から5000億円を借り入れるのは、2019年11月に設立したソフトバンクグループの100%子会社・日の出1号合同会社である。そして担保となる株式は、同じく100%子会社で中間持株会社のソフトバンクグループジャパンが保有するソフトバンク株だ(名義や議決権はソフトバンクグループジャパンのまま)。

仮に、日の出1号が融資期間満了後に返済できない場合、融資を行った金融機関が担保に入っているソフトバンク株を売却して資金を回収する。この仕組みから、ソフトバンクグループに返済義務が及ばない融資(ノンリコースローン)になる。

本件のリードアレンジャーはクレディ・スイスとJPモルガンで、海外の金融機関を中心に国内外16の金融機関が参加した。日本国内で最大規模とされるマージン・ローンを実現したのは、過去に同様の手法で巨額の調達を行っていることが大きい。 

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