7万人以上の感染者が出ている中国はどう対応したのか。中学や高校、大学では1月中旬に冬休みに入っており、当初は2月下旬に予定していた新学期を延期している。また1月下旬以降、資格試験や語学試験はすべて中止・延期された。TOEFLのような年に数度開催される試験は中止する一方、大学の卒業要件になっていたり、特定の職業に必須の資格は「4月以降に延期」とする対応が多い。
中国は9月が学校の新年度にあたり、6月が入試シーズンだ。中国ではとりわけ大学入試にかける社会の熱意は日本の比ではない。遅刻しそうな学生をパトカーが先導するほどの中国にとって、新型コロナウイルスの拡大期と学校の休暇が重なり、さらに入試シーズンにかからなかったのは不幸中の幸いと言えるだろう。
中国は一部地域で中3と高3の授業再開
146人の感染者を出した貴州省では2月27日に、中学3年生と高校3年生の授業を3月16日に再開すると発表した。再開の具体的なスケジュールを公表したのは貴州省が初めてだ。中国の医療専門家は新型コロナウイルスについて「4月収束」を目標として掲げており、他の地域でも受験生を優先して、授業が再開すると見られている。
日本では、今回の突然の休校で高校1、2年生にも影響が広がる。都立高校1年生の蒼さん(仮名)は2月29日、学校から学年末試験の中止を伝えられた。27日に「学年末試験は通常どおり行い、その後休みに入る」と決まったが、その直後に政府が3月2日からの一斉休校を要請し、学校の判断も二転三転した。
蒼さんは野球部に所属しているが、春の大会も中止された。都立高入試準備と学年末試験前で、部活は2月21日から行われていない。1カ月以上部活ができないことはほぼ確実で、がっかりしているが、親の勧めでオンライン講座のある予備校に申し込んだ。「入学してから英語の授業についていけていなかったので、早く気持ちを切り替えて、1カ月の休みを有効に使いたい」(蒼さん)。
関東の私立高に通う2年生の沙織さん(仮名)は、指定校推薦での大学進学を希望しているが、学年末試験が中止され、やきもきしている。
学校推薦を得るためには内申書が重要になるが、沙織さんは「3学期は課題やレポートも少なかったため、どうやって通知表の成績を決めるのか想像がつかない。学校からも説明もない」と不安がる。新型コロナウイルスの感染拡大による受験生、そして受験を控える生徒たちの心配は増す一方だ。
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