いきなり休校要請した安倍首相「時代錯誤」感

ジェンダー論の観点から休校要請を考えた

しかしここで突然、学校を休みにすれば、彼女たちの仕事が止まるかもしれない。それを簡単に要請できるのは、母親は皆専業主婦だと思っているか、職場でいてもいなくてもいい存在と思っているからではないか。

働く女性はもう少数者ではない。前述のとおり既婚女性の7割近くが仕事持っている。そしてシングルマザーもいる。そんなに大勢の人たちが休めば、立ち行かなくなる職場もあることは想像に難くない。たとえば、医療従事者など替えがきかない重要な仕事を持つ人もいるだろう。その人が欠けたら、職場も困るに違いない。

学校で働く人を「当たり前の大人」として見ていない

今、日本は女性の社会的地位を上げなければならない立場にある。そのために女性自身も、職場も努力している。

女性を駒のように考えるこの要請は、同時に学校の教職員をも駒のように見なしているのではないだろうか。

今回、安倍首相はあくまで要請であり、実際の判断は自治体に任せるとしており、実際に春休みまで休校するかなどは自治体の判断に委ねられている。が、自治体が判断するにしても、その前に各校で教員会議などが必要なはずである。現場の教職員や学校長、教育委員会などが、自ら判断して、自分たちの学校は授業や子どもたちの活動を止めてでも、ウイルスの蔓延を防がなければならないと決める。そのために不便をかける親たちにも協力を要請する。休校の決定は、本来そういう順番であるべきだろう。

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それなのに、首相がいきなり要請するのは、学校で働く人たちが自分で考え行動し責任を持つ力を持つ、当たり前の大人であると認めないことだ。

女性たちがこれまで長年訴えてきたのは、まさにこうした自分で考え行動する人たちの多様性を認めてほしいということだった。誰もが専業主婦になりたいわけじゃない。誰もが結婚したいわけじゃないし、子どもを持ちたいわけじゃない。人によって求めるものは違う。

それは人が1人1人自分の考えを持ち、自分の気持ちを尊重したいと思っているからだ。そうした女性の多様性を認めまいとする数々の政策の延長線上に、今回の要請がある。つまり、女性差別が一体何につながっているのかを示しているのである。

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