松嶋菜々子、挫折から始まった28年の仕事人生 長く働く秘訣は、目の前に集中すること

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「CGではなく人間が演じる意味は何か、その中で自分にしかできないことは何か、それはどうしたらできるのか……。そういうことについて意識するようになりました。

まだはっきりと答えは出ていないけれど、それでも大事だと思うのは、目の前にいる人から『ほかの誰でもなく、あなたに仕事をお願いしたい』と言ってもらえるような仕事を重ねていくことなのではないかと」

プライベートでは二児の母。「あなただからこそ、この仕事をお願いしたい」と言ってもらえるような仕事をすることの重要性は、子どもたちにも説いているという。

20代の自分に、「なりたい姿」なんてなかった

女優業を始めたのは1992年。それから松嶋さんは、プロとして着実にステップアップを続けてきた。

松嶋 菜々子(まつしま ななこ)/1973年10月13日生まれ。神奈川県出身。1996年、連続テレビ小説『ひまわり』のヒロインに抜擢され、本格的に女優業を開始。以降、『GTO』、『救命病棟24時』、『魔女の条件』、『やまとなでしこ』、『利家とまつ〜加賀百万石物語〜』、『家政婦のミタ』など数多くの人気ドラマに出演。近作に映画『祈りの幕が下りる時』、『町田くんの世界』などがある(写真:Womantype編集部)

けれど、「もともと女優志望ではなかったんです」とデビュー当時の気持ちを明かす。

「昔から、キャリアに対して貪欲なタイプでは全然なくて。5年先にこうなっていたいとか、10年後には何がしたいとか、目標をしっかりとは考えていませんでした

では、そんな彼女がここまで仕事を続けてこられた理由は何だったのだろうか。

「自分が将来どうなりたいかはわからなかったけれど、いただいた役に対して誠実に向き合いたいっていう気持ちはすごく強かったですね。

だから、台詞を覚えるにもただ暗記するだけじゃなくて、台本を自分なりにしっかり読み込んで、『台詞に込められた意図』を一つひとつ考えるようにしてきました」

なぜこのときに、この言葉なのか。この台詞はいったいどんな感情から生まれてくるものなのか。

納得できないときには、監督に対して質問を重ねることもあった。

次ページただ台本を読み上げるだけっていうのは嫌だった
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事