松嶋菜々子、挫折から始まった28年の仕事人生 長く働く秘訣は、目の前に集中すること
今すべきことに集中していれば十分。余計なプレッシャーに足をとられる必要はない。会社員の仕事であっても、まったく同じことが言えるはずだ。
視点を変えれば、風向きも変わる
今、こうして自身の仕事に対するスタンスを迷いなく語る松嶋さんも、実は過去にいくつもの挫折を経験してきたという。
とくに、「芸能界に入りたての頃はオーディションに落ち続けていた」と、意外な事実をさらりと告白する。
「いくつもオーディションを受けたんですが、全然うまくいかなくて。連続で不採用をもらうと、自分を否定されたような気になってしまい苦しかったですね。
まるで、『あなたはいらない』と言われてるようで」
この仕事に自分は向いていないのでは? 自分に能力がないのでは……?
そんなことばかり考えてしまう日々が続いた。
「でも、いつ頃だったかな。はっきりとは覚えていないんですけど、いつまでも落ち込んでいても仕方がないから、考え方を変えることにしたんです」
オーディションは相性。そう自分に言い聞かせることにした。
「相手が求めるものと自分が持っているもの、それがただ『合わなかっただけ』だって思い直したら、オーディションに落ちることが苦ではなくなってきたんですよね」
それが功をそうしたのか、風向きも変わってきた。
「考え方を変えたら、大きな仕事が一気に3つくらい決まって。
うまくいった理由はほかにもあったのかもしれませんが、私の中ではマインドチェンジができたことが、とても大きな出来事だったんです」
今の松嶋さんにつながる仕事に対する姿勢は、こうした経験があったからなのかもしれない。
「ぜひあなたに」と選んでもらえることは、決して当たり前のことじゃない。
だったら、「ぜひあなたに」と選んでもらえたときには、できることを尽くしてその期待に応える。
目の前の仕事に全力を注ぐことは、決して遠回りなんかじゃない。AI社会に求められる「自分にしかできない仕事」は、地道な努力の末に見つかるものなのだろう。
(取材・文/横川良明、撮影/洞澤佐智子〈CROSSOVER〉、企画・編集/栗原千明)
配給:ワーナー・ブラザース映画
出演:大沢たかお
賀来賢人 広瀬アリス/岩田剛典
髙嶋政宏 芦名 星 玉城ティナ 余 貴美子
松嶋菜々子/三浦友和
監督・脚本:入江悠(『22年目の告白―私が殺人犯ですー』)
企画・プロデューサー:北島直明
(c)2019映画「AI崩壊」製作委員会
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