インターンシップの期間も重要な選択基準だ。
「1dayではなく、長期間のインターンシップを選ぶようになった。また大手企業を選ぶようになった」(同志社大学大学院、情報)という学生もいるが、例外だ。
多くの理系院生は研究に時間を取られて忙しい。長期のインターンシップへの参加は難しいようだ。
「研究の時間を考慮すると1dayインターンなどの短期インターンを中心に探している」(東北工業大学大学院、電気・電子)
「学部生の頃は5日ほどの長いインターンシップに参加したが、院生では長い時間を取れなかったので短期のインターンに参加した」(東北大学大学院、生物・農)
推薦を使う学生が減少
理系には「推薦」という応募形式がある。理系の大学・学部・研究室(教授)が、「この学生は御社の業務に役立つ能力を持っているので推薦します」というものだ。文系ではあまり聞かないが、産業界と大学との距離が近い理系ではよく見られた。
1990年頃までは、理系の就職はかなりの部分が推薦で決まっていたと記憶している。1980年代半ばに「東大工学部から外資系コンサルや金融業界に就職する者がいる」と理系教授が嘆いていたことを思い出すが、極めて少数だから嘆くレベルで済んでいたのだろう。
それから30年以上経ち、理系学生は就活の対象業界として、コンサル系や金融業界を意識している。院生は自分の専門性を意識するので志望する者は少なくなるが、専門性の低い学部生ではその多くが意識していると言っていい。
従来からの建設・メーカー系以外の業界に進む学生が増え、推薦は減ってきた。理系教官が知らない業界、企業だからだ。理系研究室は特定業界と親しい。例えば、鉄鋼、化学、電機、通信などの業界との縁は深く、教官も知識がある。ところが、メーカー以外に関する知識は少なく、関係もない。教官はこういう企業に対して推薦を出そうにも出せない。
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