1000人調査で見えた「理系院生」の就活のリアル 「自由応募でコンサル」増加、推薦効力薄い?

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大手メーカーの中には、理系の採用対象は院生のみで、学部生は採用しない企業すらあるなど、理系は院生のほうが確実に就職に有利となる。院生と言っても文系と理系では就職環境はまったく異なるのだ。

理系では学生の専門性が重視される。専門性とは、機械、電気・電子などの分野別にさらに細分化され、高度化されたスキルだ。しかし、理工系学部に入学する学生は、当たり前だが高校生レベルの数学しか身に付けていない。まず専門分野で必要な水準の数学を身に付ける必要がある。数学以外でも、専門分野で必要となる知識は多い。

どの大学でも理系の院進学は半数近くになっているが、その理由は、学ぶべきことの多さにあるのだと思う。高度スキルを学部4年間だけで身に付けることは難しい。

院生は「ターゲットを絞る」

実際に学部生から院生になって、インターンシップ先の選定基準が変わったかどうかを質問したところ、「変化していない」(49%)、「変化した」(51%)と拮抗している。しかし、「変化した」学生のコメントを読むと、選定基準に専門性が加味されていることがわかる。

まず学部生時代だが、まだ専門性が浅く、文系学生と同じような就職先を目指す学生がかなりいる。また、理系センスが活かせる金融やコンサルの人気も高い。しかし、院生になってからは自分の強みである専門性を生かす就活を目指しているようだ。

「学部生の時は、営業職やコンサルなども含めて探していた。院生になってからは、基本的に研究職やエンジニア職」(大阪大学大学院、物理・数学)

「学部生の頃はコンサルがメインだったが、院生になってからはメーカーが多くなった」(東北大学大学院、生物・農)

「金融だけでなく、化学メーカーを見始めた」(京都大学大学院、化学)

学部生では「間口を広く」、院生になってからは「ターゲットを絞る」。学部生時代は幅広く業界を探索するが、院生になってからは業界を絞る学生も多い。これは「はじめは間口を広く、次第にターゲットを絞り込む」という就活法則に合致している。

「研究に特化した企業に目がいくようになった」(高知大学大学院、生物・農)

「学部生のころに比べて、自分の専門分野がはっきりしたため、その分野に限定して企業を選択した」(千葉大学大学院、電気・電子)

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