「アメトーーク!」がフジの番組を特集した衝撃

「ザ・ノンフィクション」を異例の深堀り

また、各局には「『アメトーーク!』のような視聴者に深く刺さり、支持される番組をどう増やしていくのか」という課題もあり、個人の趣味嗜好が細分化する一方の今、似た番組を作り合い、僅差の視聴率で争う時代ではないでしょう。たとえば、今回の「アメトーーク!」が「ザ・ノンフィクション」の映像を難なく取り寄せられるようになったら、局の壁を越えたコラボは活発になり、視聴者から支持される番組は今以上に増えるかもしれません。

やはり直接的なライバルである以上、大同団結できないのは仕方ありませんが、今後ますます激化するであろうネットコンテンツとのシビアな戦いを見据えると、時には局の壁を越えた魅力的なコラボを見せて、世間の人々にテレビの面白さをアピールしていくのが望ましいでしょう。

特に「アメトーーク!」や「ザ・ノンフィクション」、「ドラえもん」や「クレヨンしんちゃん」のような局の壁を越えてテレビ業界の財産と言える番組をどう盛り上げ、どう守っていくのか。「東京オリンピックだから」ではなく、ふだんから「一緒にやろう2020」のように各局の優秀なスタッフが英知を結集させていきたいところです。

自局の利益だけでなく大局的な視点を

その点、各局のスタッフやタレントを招いて行われる「新春TV放談」(NHK)は、自局の利益に留まらず、業界全体を考えた意見交換が見られます。さらに、今回「アメトーーク!」にフィーチャーされた「ザ・ノンフィクション」を長年担当している西村朗プロデューサーは「新・週刊フジテレビ批評」のプロデューサーも務めていて、同番組では業界全体を考えて各局のドラマやバラエティーを積極的に扱う企画を放送し続けてきました。私も何度か出演しましたが、自局の利益だけを考えて忖度を求めるムードはまったくなかったのです。

自局の利益だけを考えて牽制し合うのではなく、業界全体の利益も考えた大局的な視点を持つことができるか? これがテレビ全体の視聴量や各局の業績を左右していく気がするのです。

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