「アメトーーク!」がフジの番組を特集した衝撃

「ザ・ノンフィクション」を異例の深堀り

そのため映像を借りられず、紙芝居で番組の名シーン再現したのですが、同番組をこよなく愛する千原ジュニアさん、土田晃之さん、品川祐さん(品川庄司)、田中卓志さん(アンガールズ)、チャンカワイさん(Wエンジン)、小出真保さんの熱っぽいプレゼンで物足りなさを感じさせませんでした。人気芸人たちが持ち前の話術で、他局の番組を熱っぽくPRしたのです。

芸人たちが「ザ・ノンフィクション」風の紹介映像で登場したあと、まずは番組内容の紹介から。リスペクトとイジリを交えながら「日曜午後帯に放送」「ワケあり人間が多い」「夜のネオン街が多い」「画が暗い」「人生を後悔してる」「見た後は複雑な気持ち」と番組のポイントを挙げ、人気シリーズを紹介していきました。

それぞれがお気に入りの作品を発表したほか、「ザ・ノンフィクションを撮ってみた!!」、テーマ曲「サンサーラ」歌い手の変遷、中孝介ご本人登場で生歌唱など、本当に1時間まるごと他局の番組を宣伝したのです。

もちろん「ザ・ノンフィクション」が魅力的な番組だから当企画が成立したのは間違いありません。ただ魅力的な番組だからこそレコメンドすることで、日曜14時から放送されているテレビ朝日の番組を見てもらえるチャンスが減るでしょう。つまり、「アメトーーク!」1回分の放送で、少なくとも数回、長ければ数年間、自局の番組より「ザ・ノンフィクション」を選ぶ視聴者が増えてしまう可能性もあるのです。

それでも「アメトーーク!」は自らのコンセプトを曲げることなく、ふだんと同等以上の熱いトークを見せてくれました。テレビ朝日にとっては失うものばかりではなく、この姿勢を見せたことによって「アメトーーク!」のブランディングはますます高まり、「やっぱり面白い」「何かをやってくれそう」という印象を与えられたのではないでしょうか。

テレビ全体の視聴量を増やしていこう

冒頭に挙げた「敵に塩を送る」という行為で思い出されるのは、昨夏に放送されたドラマ「ノーサイド・ゲーム」(TBS系)。同作の最終話は9月15日に放送され、そのわずか5日後に日本テレビが放送するラグビーワールドカップが開幕しました。しかも同作が放送された「日曜劇場」は60年超の歴史を持つTBSの看板ドラマ枠。視聴者が多く影響力があるため、局内には「ラグビー需要を高めてしまう」と反対の声もあったようですが、最後まで放送されました。

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