WOWOW「14期連続」会員数増加に黄信号

動画配信サービスの急激な台頭で強まる逆風

13期連続で加入件数の増加を続けてきたが、今年は前期末の水準を下回る可能性もある(編集部撮影)

衛星放送最大手のWOWOWがかつてない逆風にさらされている。2006年度から13期連続で累計加入件数の増加を果たしてきたが、その記録がストップする可能性が高まっているからだ。

2020年3月期末の目標は293.1万件だが、2020年1月時点の加入件数は285.7万件(2019年4月~2020年1月で新規加入45.3万件、解約49.7万件)。目標達成にはあと2カ月で7.3万件の純増が必要になる。今期末の目標未達は不可避で、2019年3月期末の290.1万人を下回る可能性もある。

「動画配信サービスの普及でお客様の選択肢が増え、影響を受けている」
1月31日に行われた決算説明会でWOWOWの田中晃社長は、会員数減少の理由をこう説明した。

名前こそ出さなかったが、最も意識するのは急速に会員数を伸ばしているNetflix(ネットフリックス)だろう。日本での会員数は前年比77%増加の約300万人(2019年9月時点、世界の有料会員数は約1.5億人)と、サービス開始から4年でWOWOW超えを果たした。ほかにも日本テレビ系のHuluが「2021年3月期に300万人を目指す」(Huluを運営するHJホールディングスの於保浩之社長)と言うなど、動画配信サービスを手がける競合の存在感が高まっている。

Paraviやスカパーでも展開しているが

WOWOWもこうした状況を静観していたわけではない。2018年には動画配信サービス「Paravi(パラビ)」に出資。2019年2月からParaviでWOWOWを視聴できるプランを開始するなど、ネット配信にも比重を置き始めている。また「WOWOWメンバーズオンデマンド」 として、ネット上で放送の同時配信や過去の一部作品を見られるようにしている。

2019年10月からは「スカパー!」でWOWOWの放送を開始するなど多方面での会員獲得に努めていた。しかし、スカパー自身が会員数の減少で苦戦しており、Paraviは「会員数が数十万人と伸び悩んでいる」(テレビ局関係者)ため、WOWOW全体の加入件数を押し上げるまでの効果は出ていない。

1月の決算会見で今後の方策を問われた田中晃社長は、「オリジナルコンテンツ強化と新ジャンル開発」「配信に強い軸作り」を挙げた。

「配信に強い軸作り」の1つが、ネットだけで加入できるプランの新設だ。これまで、WOWOWに加入するためには「CASカード」と呼ばれるデジタル放送の受信に必要なカードが不可欠だった。現在、CASカードなしで加入できるParaviでも、WOWOWメンバーズオンデマンドで過去作品などを視聴するにはCASカードの番号入力が必要になる。その手間をなくし、クレジットカードさえあればWOWOWに加入できる体制を整え、「加入の入り口を増やす」(田中社長)という。

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