1000円高速の猛威! JRがたまらず値下げ

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 影響が比較的少ないとされるJR東日本でも、2010年3月期の上半期では運賃収入が50億円減少したとみられ、「通期では90億円の減収見通し」(大和田徹常務)。JR旅客6社の合計では年間250億円と影響は甚大だ。JR貨物も同40億円の減収を見込む。

 お盆休みに続き、年始も高速道路1000円は実施される見通し。多くの帰省客が自動車に流れるのは必至だろう。これが、なりふり構わぬ割引施策への誘因となったのは間違いない。

来年以降は高速道路の無料化という“爆弾”も控えている。「仮に土日祝の1000円が全日に拡大するだけでも、その影響はJR旅客6社全体で750億円程度まで膨らむ。無料では交通体系のバランスが崩れてしまう」と、JR東日本の冨田哲郎副社長は利用者の減少を危惧する。

 苦肉の策の割引切符だが、どこまで鉄道離れを食い止められるかも未知数だ。JR各社が抱えるローカル線の中には、今なお赤字の路線も少なくない。自動車シフトへの抜本的対策がない中、採算悪化を理由にこうした路線を温存し続けることが難しくなる可能性もある。
(大坂直樹 =週刊東洋経済)

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