利権化する「エコ」 潤う環境予算のウラに深い闇

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 このうち3Rマイスター(1600万円計上)は、06年の容器包装リサイクル法改正のときに、小池百合子環境大臣の肝いりで導入された。広告会社の助力で有森裕子(マラソンランナー)、竹下景子(俳優)ら17人の有名人が「3Rマイスター」に委嘱された。市民の要請で講演するのが条件だが、07年7月から09年9月の間に複数回、講演を引き受けたのは5人にすぎない。

小池大臣のときには、ボクシングの亀田興起を起用した3R推進のポスターを6万2000枚刷ったが、後任の若林正俊大臣が不快感を示すと、官僚たちは残ったポスターを全部廃棄した。

使用済みのPETボトルを繰り返し使うリユースができないかと、昨春から3500万円かけ検討会の審議が始まった。だが、検討会は同年6月、11人が4泊5日でドイツを視察、リユース大国でもPETボトルのリユースが急減、リサイクルが主流になっていることを確認するに終わった。日本でPETのリユースが可能か、スーパーの協力を得て実験したが、2回続けてPETボトルをスーパーに持って来る人は全体の22%。さんざんな結果に終わった。それでも環境省は「事業系のPETでも実験する」(上田康治リサイクル推進室長)と、なお続行の構えだ。

飲料メーカーの幹部は「ドイツでも廃れ、実現性の薄いことは常識。ドイツに行くまでもなかった。それでもこだわるのは、できないと結論づけるときの説明資料作りが狙いだろう。官僚の保身術でしかない」。

一方で、09年度のごみ処理施設の予算574億円の大半が焼却施設の建設費。3Rというなら焼却施設の予算に大ナタを振るい、バイオガス発電施設など、3Rにふさわしい施設への転換が筋だが、旧厚生省時代からの「焼却至上主義」は揺るがない。

総合評価という不透明な制度

環境省は04年度に発注した契約のうち随意契約が92%と全省庁でいちばん高かった。その多くは天下りを受け入れた財団法人や社団法人などが受けていた。その後、政府は見直しを行い、公募方式にして企画提案型の総合評価に切り替えた。だが、機能しているのか。

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