利権化する「エコ」 潤う環境予算のウラに深い闇


 地球環境局が力を入れる事業に地球温暖化防止のための「国民運動」がある。「チームマイナス6%」が始まったのは05年4月のことだが、その中身は広告代理店の博報堂に依拠した宣伝活動だった。

07年6月、参院文教科学委員会で、民主党の蓮舫委員がただした。「3年間で国民事業に使われた税金は83億円。6カ月間のプロジェクトに約1億円の人件費が使われ、最高額は日給7万6300円、時給1万円超の仕事だ」。

毎年30億円近い事業を、3年連続で博報堂1社が受けていたことを問題視した。環境省は08年度は分割して入札。「CO2削減推進事業」を博報堂(17億円)、「低炭素社会」をアサツー ディ・ケイ(10億円)、「1人1人1kg削減」を電通(3億円)と、業界大手が仲良く分けた。

この「国民運動」とは何か。環境省の松本行央・国民生活対策室係長は、「広告宣伝ではない。テレビのCMに流れただけでは後に残らない。削減に努力する個人や企業を応援している」と言うが、中身は大臣らが参加してのイベント中心だ。

「クールビズ」「ウォームビズ」の言葉を編み出した博報堂の07年度の企画書が手元にある。「国民運動の自走化のために、この先何十年、国民誰もが気づき、行動を動機付けられ、世代から世代へと、この運動が継承されるようなテーマを提示すること」を目標に掲げ、「危機意識の自分事化」「うちエコ!の行動化」「目標や成果の可視化」のため、企業・団体、地方、メディア、NPOが施策を展開、それを同社の「実施本部」が工程管理するという。そこに環境省の出る幕はない。

施策の多くは企業の協賛を取り付け、有名人を動員したイベントやマスコミを使った広告宣伝。環境省は「チームマイナス6%のチーム員宣言は315万人」と言うが、ウェブ上で申し込み用紙をダウンロードして登録するだけのカウントで、行動に反映されているのか疑問だ。

イベント化の流れは、地味な取り組みをしていた都道府県の地球温暖化防止センターにも波及した。

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