「開花寸前」の分野こそ将来伸びるといえる理由 2020年以降に伸びるビジネスの見極め方

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

だからその世界の黎明期にいた人は、市場が大きくなっても総合プロデューサーとして活躍できるんです。逆にいうと、後から入ってきた人が360度を理解するのは相当大変です。

尾原和啓さん/1970年生まれ。京都大学大学院工学研究科応用人工知能論講座修了。マッキンゼー・アンド・カンパニーにてキャリアをスタートし、NTTドコモのiモード事業立ち上げ支援、リクルート、ケイ・ラボラトリー(現:KLab)、コーポレートディレクション、サイバード、電子金券開発、リクルート(2回目)、オプト、Google、楽天(執行役員)の事業企画、投資、新規事業などを歴任。現職Fringe81(執行役員)は12職目になる。著書『どこでも誰とでも働ける』(ダイヤモンド社)、『アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る』(日経BP)

開花するであろう領域を見極める際に、将来を1年単位で予測するのは難しいと思います。でも10年単位の予測は間違いないと考えていいでしょう。

例えば携帯電話が普及する前、みんなが携帯電話を使い始めるのが5年後なのか6年後なのかはわからなかった。しかし「近いうちにモバイルの時代が来ること」は確定事実とみて間違いありませんでした。

なぜそう判断できるかというと、情報には必ず“方角”があるからです。

僕は未来予測が好きで、学生の頃から“予測本”をたくさん読んできました。さらに「この予測本の著者はどんな境遇で生まれ育ち、何に熱意を持つ人なのか?」を知るために、著者のエッセイやインタビューにも目を通しています。

そこまでする理由は、必ずしもすべての予測本がフラットな目線で書かれているとは限らないからです。中には著者自身が得をする目的で書かれた本もありますし、そうでなくても、生まれ育った環境の影響を受けているはず。

だから予測本の中身を鵜呑みにするのではなく、あくまでも「この情報はどこから来て、どこへ向かっていくのか」という情報の“方角”を見極めることを心がけてきました。さまざまな予測をインプットしていると、徐々にその方角がわかってくる。そこで初めて、「開花しそうな分野」がわかるわけです。

“ゼロイチ”の達人が予測する「今」開花寸前の場所

では2019年12月現在、開花寸前の場所は具体的にどこなのか。

1つは自動翻訳の分野です。2030年をメドにリアルタイムでの音声翻訳が実現すると、世の中は大きく変わるでしょう。

さらに人口動態に目を向けると、インド人が世界に進出していくことは間違いありません。今は一部の優秀なインド人が外国で働いていますが、人口の急増に伴い、今後は英語を話さないインド人も世界で暮らすのが普通になります。

このことを踏まえると、自動翻訳が実装されるまでの間は、英語がわからない人でも楽しめる「非言語」領域のエンターテインメントがトレンドになることがわかります。

次ページ自動運転の領域も開花寸前!
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事