世論調査では、大多数の人々がストライキと抗議を支持しています。年金が引き下げられれば、それと引き換えにもっと長く働かなければならないと恐れているからです。
多くの人はこの重要な日さえ終われば、その後は物事がほぼ正常に戻ると考えていました。しかし、SNCFやRATPを中心としたストライキと社会運動はなんと50日以上続いています。
クリスマスや新年など、観光客にとって最高の季節にもかかわらず、このストライキの主催者である労働組合はこれを気にかけず、政府の提案に毅然と対抗しようとして、年金制度の一本化の完全な撤回を求めています。
パリの街がゴーストタウンのように
こうした中、例えばSNCFはストライキ中の労働者(もちろん給料は支払われていません)を支援するために、「キャニヨット」と呼ぶ、集めたお金を分けるための組織を作っています。これによって彼らは、収入をあまり気にすることなく、ストを続けられるというわけです。対する政府もまったく妥協の姿勢を見せず、クリスマス休暇期間はストも相まって本当にすべてがシャットダウンされてしまったのです。
このため、フランス人、とくにパリジャンは習慣を変えなければなりませんでした。多くの人は歩くしかありません。ですから、何時間も歩き続けられる服装を選びます。そして、何時間も歩けば疲れるので、外食したり、買い物をしたりする気もなくなります。ただ家に帰り、また翌日歩くのに備えるのです。これは極端に言えば、「couvre-feu(戒厳令)」のようなものです。
多くの人が普段とはまったく違う生活を過ごさなければなりません。重要な予定やミーティングはキャンセルされました。1カ月間仕事に行くことができなかった人たちもいます(たとえ、彼らが働きたいと考えていたとしても)。
パリは一気に静まりかえりました。レストランには誰もいません。夜の通りも。観光客すらほとんどいませんでした。翌日がどうなるかさえ誰もわかりません。RATPのサイトをチェックして、どの地下鉄が動いているのかを確認しなければいけませんでした。唯一正常に機能していた2路線は、運転手なしで自動運転されている路線でした。それ以外はほとんど動いていないか、1日3時間のみ運営するという形でした。
バスも同じでした。一度、バスに乗ろうとしましたが、停留所に止まるたびにどんどん人が増えていくのを見て、諦めました。乗ることができたとしても、きっと身動きひとつできなかったかもしれません。タクシーに乗ろうにも空車を見つけるのはほぼ不可能で、ラッキーなことに拾えたとしても、とんでもない渋滞に巻き込まれるのがオチでした。
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