世界の自動車業界は、回復途上にいる《ムーディーズの業界分析》
09年1~8月における世界の自動車販売台数は約4040万台で、前年同期比で11.3%低下した。09年の年間販売台数は、08年の販売台数である6460万台から8%減少するであろうとムーディーズのベースケースシナリオでは想定している。10年については、比較のベースとなる09年の販売台数が少なかったことに加え、世界需要が安定化しつつあるため、世界の販売台数は2%という小幅な伸びを予想している。
安定化の兆しにもかかわらず、短期的な成長率のより強い回復と、07年、08年の水準までの自動車需要の回復には、それを妨げるいくつかの制約がある、とムーディーズは考えている。また、景気の先行きも不透明であり、主要国における失業率の上昇という下方リスクも残っている。
ムーディーズは、自動車メーカーのファンダメンタルズは安定化しつつあり、特にその傾向は西欧以外で顕著であると考えているが、その一方で、自動車業界の回復は力強いとは考えていない。設備稼働率の低さ、価格の下方圧力、排ガス規制に適合するためのコスト、環境対応型ではあるが低収益の小型自動車への長期的なシフトがその主因であり、引き続き課題になるであろう。
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