スクーの「生放送の価値」に関しては、筆者自身もスクー上で「講義」をした経験から感じたことがある。30分ほど講義をして、その後、質疑応答を受け付けたのだが、かなりの質問が来て、大いに授業は盛り上がった。この双方向性のあるコミュニケーションが生放送の最大の付加価値といえるだろう。
実際にリアルタイムで講師とコミュニケーションできるか否かで、受講者のモチベーションも変わってくる。筆者がスクーを「受講」した際に、質問を講師に拾われたときはテンションが上がった。ラジオでパーソナリティに手紙を読み上げられる感覚に近い。
アーカイブではなく「生放送」を視聴したほうが面白く、「生放送視聴者数」を重要な経営指標と掲げるのもうなずける。
月額課金からオープン化まで、3つのビジネスモデル
取材日の2013年2月時点では累計番組数約500を数える。コンテンツの制作基準は2つ設けている。
「立ち上げ当初はコンテンツの作りやすさと、市場ニーズが合致した分野を制作基準にしていました。オンラインで学習するという目新しいサービスに反応してくれるのは、アーリーアダプター層です。そういう属性の多さと、私自身の人脈から、最初はスタートアップ関係のコンテンツに特化しました」
実際に2012年1月のオープン時にはnanapiを運営する古川健介氏や、都知事選にも出馬した家入一真氏など、スタートアップ業界で著名な講師陣による講義が開講された。
設立当初は森氏がひとりで営業し、講師とどんなコンテンツを提供するか番組制作も担当してきたが、現在は2人のコンテンツディレクターが月に20本ほどの番組を担当し、制作に当たっている。今後は授業の再放送も含め、月間提供番組数を右肩上がりで増やしていくようだ。
現状、目に見えるビジネスモデルは525円の月額課金のみだが、今後はどのような形態を考えているのだろうか。3つのモデルを考えていると森氏は説明する。
まずは月額課金だ。現状提供している付加価値は「アーカイブの視聴」のみだが、今後は生放送への優先入場権や質問に優先的に回答してもらえる権利など、提供できる付加価値を増やしていきたいという。
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