プロが語る2020年の投資戦略「4つのポイント」 一部の高利回り債や高配当株は選別投資を
リスクオフ戦略は賢明ではない
われわれは今、不確実性の時代にある。だが、不確実性を理由にリスクオフ戦略をとるのは賢明ではないと考えている。
1年前の2019年1月、投資環境の展望はかなり暗いものだった。前年の株価パフォーマンスが散々で、米中貿易戦争や世界的な景気後退懸念の高まりから、市場は悲観論であふれていた。世界ベースの「経済政策不確実性指数」(政策の影響による経済の先行きの不確実性を示す指標)は2019年に過去最高に上昇。2001年のアメリカ同時多発テロ事件や2008年のリーマンショックの時を上回る水準だ。そのため、投資家の多くが資産を現金化した。
しかし、それは結果的に誤りだった。2019年の実際のリターンは、株式をはじめ、社債や新興国債券、原油など驚くほど良好なものとなった。実際に起こったことと市場の懸念の間に大きな乖離が見られた。
市場にとってより重要だったのは、金融政策の変化だ。2019年には世界16の国と地域で利下げが行われ、マクロ経済の見通しを改善させた。長期金利も大幅に低下し、ドイツなどはマイナス金利となっている。こうした状況が金融資産を下支えしている。
2020年の投資戦略については、4つのポイントが指摘できる。第1に、リスク資産を選好する投資姿勢を継続すべきだということ。不確実な環境は続くが、過度に防衛的な資産配分は得策ではない。第2に、マクロ環境的には好ましい状況にある。世界経済は緩やかだが安定的な成長が続き、循環的な景気底入れ・低インフレ局面の中で中央銀行の緩和的スタンスが維持される。
第3に、リスク資産の中でも、一部の高利回り債券や配当利回りの高い株式を選別すべきだということ。第4に、今後のグローバル債券投資は先進国国債の枠を超えて、より柔軟に投資対象を分散する必要があるということだ。
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