中国が進める「1国2制度」は台湾では不可能だ 「ひまわり学生運動」リーダーが語る総統選

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――今回の総統選・立法院選挙において、副秘書長としてどんな役割を果たしたのでしょうか。

民進党には副秘書長が3人います。それぞれ、行政、組織、広報といった業務を担当して、私はニュース、世論、国際、青年、インターネットの各部を管掌する広報担当です。

民進党は政策に関するコミュニケーションを十分に行うことに多くの努力を払ってきました。例えば、台湾に来て支援を求める香港の友人らを助け、協力できる市民団体の話を聞き、同時に政府側の大陸委員会などの公的機関との橋渡しを行いました。

議会選挙は有権者のバランス感覚が働いた

われわれは民間団体と公的機関の間の対話を深めることで問題点を突き詰め、その解決策を導き出していきます。その結果、民間団体が政府に抱きがちな不満や「民間からの意見がわずらわしい」という政府の不満の双方を解消させるのです。選挙期間中は、政策論争は活発に行われますが、政策の中身については相対的に重視しないものです。しかし今回は、このような意志疎通を活発に行うように努力しました。例えば、香港問題における人道的な救援については、とてもスムーズに行えました。

林飛帆(Lin,Fei-fan):1988年、台湾・台南市生まれ。国立曁南国際大、同成功大卒。2014年3月に始まった「ひまわり学生運動」のリーダー。2019年7月に民進党副秘書長に就任。(記者撮影)

これこそ、今の国民党にはできないことでしょう。われわれは政治の現実を理解しています。政策を推進する過程では、単一的な対応ではなく、多くの部署が連携して交渉し、よい方向を模索することが必要なのです。

――今回の選挙で、民進党は立法院の過半数を維持できましたが、比例区での得票数は国民党とそれほど差がありませんでした。この結果をどう考えますか。

もともと民進党に優勢な選挙区は40と把握していました。残り10~15選挙区は新人候補が闘っている選挙区で、勢力が拮抗していました。投票率が上がらなければ、激戦区では落選する可能性がありました。

民進党自身の事前予測は、比例区12、選挙区40の計52。さらに激戦区で5席を得れば、民進党が立法院で過半数を制します。幸いにも投票率は前回16年の66.27%から74.90%へと上昇したため、激戦区でも勝利しました。

ただし、総統選での獲得票数(817万票)と立法院比例区での獲得票数(481万票)の差に注目すべきです。選挙戦中は「民進党優勢」と見なされていたため、比例区では民進党ではなく、他の政党にあえて投票した有権者が多かったということです。民進党の政治的優勢を嫌い、議会は総統や与党を監視すべきだというバランス感覚が働いたのかもしれません。

したがって、蔡総統は817万票を得ましたが、そのすべてが民進党を支持しているのではありません。総統選での得票と比例代表の得票の差は330万票ほどありますが、対立候補の韓国瑜氏と蔡総統をてんびんにかけ、「台湾を守り、主権を広げる」のはどちらかという観点から比較したうえでの投票だったでしょう。そのため、817万票のすべてが、民進党を積極的に支持しているのではないといえます。

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