工場異変~日本の製造業は大丈夫か~ 安全・品質・モラルが問われる

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縮小

片やシャープは、もともと自社製薄型テレビ「アクオス」に搭載するはずだった液晶パネルが、地デジ特需崩壊に伴う需要急減で大きく目算が外れた。亀山第1工場(三重県)はアップルの「アイフォーン」専用工場に転用。亀山第2(同)はアップルの「アイパッド」、サムスン電子、中国スマホメーカー向けに供給先を変えた。堺工場(大阪府)に至っては、鴻海(ホンハイ)精密工業の郭台銘会長からの資金援助を受け、共同運営となっている。今やシャープの命運は、アップル、サムスン、ホンハイが実質的にカギを握っているのだ。

縮む工場、減る工員。現場が地盤沈下する

日本のGDPの内訳を見ると、12年は474兆円(全産業)のうち、製造業が18%を占めている。製造業はサービス業に次ぐ2位で、製造業の中でも、食料品(14%)、電気機械や輸送用機械(各13%)、一般機械(12%)の比率が高かった。つまり、内需で代表格の食品を別にすれば、いかに車や電機に依存する構造なのかがわかる。

だが、国内の事業所(工場)数は、ピークである1983年の45万事業所から、12年には22万事業所まで半数以下に落ちた。また従業員数もピークである91年の1135万人から、12年には735万人まで3分の2まで縮小している。これは日本の人口縮小を超えるペースである。工業高校を志願する生徒も減っており、“匠の技”とされる技術の伝承がどこまでなされているか、心配だ。

工場の存在感は足元から揺らいでいる。

(詳しくは「週刊東洋経済」3月15日号 特集『工場異変』をご覧下さい

大野 和幸 東洋経済 記者

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おおの かずゆき / Kazuyuki Ohno

ITや金融、自動車、エネルギーなどの業界を担当し、関連記事を執筆。資産運用や相続、年金、介護など高齢化社会に関するテーマでも、広く編集を手掛ける。大野和幸(X)

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