京成にもある「加算運賃」、いつ引き下げられる? さらなる利用者獲得へ京王や京急に続くか
一方、東京駅などから成田空港間を結ぶLCCバスは、割安な運賃と利便性を武器に認知度を高めている。
LCCバスは現在、ジェイアールバス関東とビィー・トランセグループの「THEアクセス成田」、京成グループ「東京シャトル」の2つの陣営に分かれている。運賃は両陣営とも1000円で、東京駅―成田空港第3ターミナル間を約60分で結ぶ。渋滞のリスクはあるが割安なうえ、座席や荷物置き場の心配が不要な点が強みだ(ただし現状は、始発停留所以外からの乗車では、満席時は積み残しが発生する場合がある)。
「THEアクセス成田」と「東京シャトル」は2月1日、「エアポートバス東京・成⽥」にブランドを統合し、共同運行体制へ移行する。東京駅ののりばや乗車券販売箇所が統一されるなど、利便性向上が見込まれる。
鉄道アクセスに強み
しかし2つのルートを持つ京成線にも、京成船橋や青砥などの中間駅での乗降が可能なことや、都営浅草線・京急線との直通運転により、訪日客にも人気の東京スカイツリーや浅草、東海道新幹線と接続する品川や羽田空港との間を一般列車で割安に移動できるセールスポイントがある。
さらに同社は、荷物置き場を備えた一般車両の投入や、昨年10月のダイヤ改正での「スカイライナー」および京成本線経由成田空港発着列車の増発など、利便性向上に取り組んでいる。そのうえで、仮に加算運賃撤廃に踏み切れば、京成上野―成田空港間(京成本線経由)普通運賃が910円に引き下げられる。
しかし、同社経営統括部広報・CSR担当は「2018年度までの加算運賃などによる設備投資額や支払利子等の回収率は76.0%にとどまっており、いまだ回収途上」と、当面は京成本線の加算運賃撤廃の考えがないことを説明している。
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