「第1段階の米中貿易合意」に透ける習近平の因縁

通商合意の調印式を1月15日に控える中で…

トランプ大統領と習近平国家主席(写真:ロイター/アフロ)

アメリカと中国の両国は、貿易戦争の「第1段階の合意」に至ったとして、現地時間1月15日に中国高官をホワイトハウスに招いて署名式を行う。

一昨年の7月から始まったこの戦争の最初の合意内容には、中国がアメリカ産農産品を年最大で500億ドル(約5兆5000億円)を輸入することや、中国による知的財産権の保護の強化が盛り込まれているとされる。

その見返りにアメリカは、昨年9月に発動した制裁第4弾のスマートフォンやパソコンの部品、衣類や靴といった日用品などの中国製品に課した追加関税15%を7.5%に引き下げるという。

習近平とアイオワ州そしてトランプの因縁

だが、本当にそんなことが可能だろうか。

中国によるアメリカ農産品の輸入額は、これまでに2012年の260億ドルが最高だった。今回の合意内容は、その2倍の額を設定している。

これはもはや再選を目指すトランプ大統領の意向が妥協を引き出した、というより、若い頃にアメリカでのホームステイを経験した中国の習近平国家主席の因縁がそうさせた”出来レース”ではないか。私にはそう思えてならない。

そもそも、過去最高260億ドルを記録した2012年の中国向け農産品輸出も、仕込んだのは習近平だった、と言えるからだ。

2012年2月、習近平は訪米している。

当時はまだ副国家主席だったが、同年末には中国共産党総書記に、翌年には国家主席に就任することは既定路線だったことから、まずは首都ワシントンを訪れ、当時のオバマ大統領とバイデン副大統領と会談。いわば「顔見せ」を済ませると、その次に向かったのが、アイオワ州だった。

アイオワ州といえば、アメリカの農業において「コーンベルト地帯」と呼ばれる穀倉地帯の中心に位置していて、トウモロコシ、大豆の生産が最も盛んな場所で、これらを飼料とした豚肉の生産も全米1位を誇る一大農業地域だ。

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