生きるためにいちばん大切な「食」の話 柴田明夫著

生きるためにいちばん大切な「食」の話 柴田明夫著

近未来の日本は「油断」よりもむしろ「食断」のほうが要注意かもしれない。かねてから世界の穀物需給の逼迫と価格高騰が不可避だと警告してきた著者による、来るべき食料危機についての解説・啓蒙書で、前著『コメ国富論』のエッセンスが平易に説明されている。食料輸入大国・日本の経緯、世界的な食料争奪戦の実態、日本農業再生への問題提起、の3点を中心に展開されているが、世界の食料需給は中国の「爆食」、世界的異常気象、バイオエタノール拡大の影響、輸出規制に走る各国、などにより深刻さを増しているという。

いたずらに危機感をあおる内容ではなく、コメの大増産を中核にして日本農業を再生させる方策を論じ、地産地消や食生活、地域のあり方など消費者サイドからもどう対処すべきかを現実的に提案している。問題の所在を再確認するに手頃だが、飽食の時代しか知らない若い人向けの文体で書かれているのが、人によっては気になるだろう。(純)

講談社 840円

  

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