最大手であるリクルートグループによると、キャリアカウンセラーと求人開拓スタッフの連携で3カ月で59%、6カ月で78%の方が、納得度の高い再就職を実現しているとのこと。
また、そもそも40~50代のシニア人材の求人が増えたという、環境の変化も一因となっているようです。エン・ジャパンが転職コンサルタントに「これまでに50代以上を採用する求人を扱ったことがありますか?」と聞いたところ、95%が「ある」と回答。50代以上対象の求人増加を感じるか聞いたところ、79%が「増えている」と回答しました。
さらに求人が増えている企業タイプは「中小企業」(78%)が圧倒的。特定分野における専門性や豊富な経験を生かした即戦力として期待しているようです。このように、退職後の転職先探しにおいて、徐々に選択肢が増える状況になってきたといえます。
こうした状況も、企業が希望退職実施を決断できる要因の1つになっているのかもしれません。
投資家による株主提案も背景に
希望退職の募集が今後増えていくと考えられる理由はもう1つあります。それは株主利益の最大化を求める投資家が、希望退職を提案する事例が増えつつあるということです。
当社が関わったコンサルティング案件でも、アクティビストと呼ばれ、経営陣へ積極的に提言を行う集団から、大胆な早期退職を勧める株主提案を受けて苦慮する経営陣から相談を受けたことがありました。ときにこうした流れを“大義名分”として、会社が企業業績の好調なうちに、希望退職を検討する時代になりつつあります。
かつての日本企業では「企業は従業員のもの」という考えが強くありましたが、“株主優位”の流れが、希望退職の早期化を加速させているのかもしれません。
さて、こうした時代の変化を踏まえて、仮に会社が希望退職を始め、その対象に自分がなっていたとしたら……個人としてはいったいどうしたらいいでしょうか。
希望退職の対象になっても「会社にしがみつくべき」との意見をよく聞きます。ただ、本当にその選択しかないのか、新たな選択肢を探してみるのは無謀なことなのでしょうか。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら