ゴーン会見に日本人が納得できない4つの理由

論点すり替え情報隠し自画自賛で日本を疎外

自分にとって不都合なことを尋ねられると、あいまいな言葉を並べながら話をずらして誇張し、それを繰り返しながら長話に持ち込むことで「多少の矛盾点はあっても全体としては正しい」と思わせようとする……あなたのまわりにもこういうタイプの人はいないでしょうか。

この日の会見が内容の薄さに反して約2時間30分も行われたように、ゴーン氏の一方的な話が長かったのは明白。聞く側のわかりやすさや理解度を考えるより、自分の主張を正当化するためのパフォーマンスに終始したものの、長すぎたことで思っていたほどの効果は得られなかったのです。

自画自賛とイベント仕様のショーアップ

「日本で尊敬されているCEOだったし、今も一部の人にとってはそうだ」

「好意的ではないメディアも私が日産を復活させたことに異論はないだろう」

「私は『ミスター・インポッシブル』と呼ばれていた。たくさんのミッション・インポッシブルを果たしてきた」

ゴーン氏は自身の功績を繰り返しアピールし、あふれ出る自尊心を隠そうとしませんでした。欧米人には自画自賛する自信満々の姿が支持されるかもしれませんが、日本人にとっては必ずしもそうとも言えません。「こういう状況になったからには少なからず自分の非もあったのではないか?」「それを謙虚に受け止めたうえでアピールしてほしい」と思う人は少なくないでしょう。

また、単独で会見に挑むのではなく、「第三者を同席させて、その口から自身の功績を語ってもらう」という形のほうが聞く側にとっては受け入れやすいもの。そうした聞く側への配慮がなかったため、ゴーン氏の会見に「自己満足」「尊大」という印象を抱いた日本人が多かったのではないでしょうか。

ゴーン氏ほどの著名人ではありませんが、私もときどき経営者とのコンサルを行っていますが、彼らは「押すのは得意だが、引くのは苦手」「攻めはうまいが、守りがへた」と感じることが少なくありません。自分では「うまく引いているつもり」「うまく守っているつもり」なのに、周囲の人々から見たら「ものすごく押している」「猛烈に攻めている」と思われがちで、周囲とのコミュニケーションに難のある人が目立ちます。

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