ゴーン会見に日本人が納得できない4つの理由 論点すり替え情報隠し自画自賛で日本を疎外

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レバノン・ベイルートで記者会見を開いたカルロス・ゴーン氏(写真:Abaca/アフロ)

保釈中にレバノンへ逃亡した日産自動車の元会長カルロス・ゴーン氏が、現地で記者会見を開き、「私にかけられた嫌疑に根拠はなく、日産と検察に仕組まれたもの」などと無実を主張しました。

国外逃亡中に開かれた異例の会見で多くの注目を集めたものの、一夜明けた現在の状況としては「内容がない」「恥の上塗り」などの批判が大半を占め、海外メディアからも「拍子抜け」という論調が散見される始末。

身の潔白を証明し、逃亡を正当化するはずだった会見は、なぜこのような受け止められ方をされてしまったのでしょうか? その理由となった4つのスタンスを挙げていきます。

会見冒頭に表れた論点のすり替え

約2時間半にわたって行われた会見は、まさにゴーン氏の独演会。目を見開き、大きな身振り手振りを交え、汗を拭きながら、まるで新商品のプレゼンテーションをするかのような生き生きとした姿を見せていました。

注目すべきは、ほとんど視線を落とさず話し続けていたこと。これは「自分の意志を伝えよう」という気持ちの表れであり、もし事実に基づいた詳細を語ろうとするのなら間違えないように資料を見ながら話すはず。この時点でカンのいい人は、「この会見は“犯罪者”や“逃亡者”というネガティブなイメージを覆すパフォーマンスの場で、新たな事実は話さないだろう」とがっかりしたでしょう。

ゴーン氏が真っ先に訴えたのは、特別背任などで起訴された自らの罪に関することではなく、日本の司法制度の問題。「家族に会えない」「弁護士なしでの尋問」「シャワーは週2回」「薬の処方は禁止」などの窮状を並べ立て、「人間として扱われなかった。人間と動物の間のような扱いを受けた」と強い口調で語りました。

「日本の司法制度に問題がある。とりわけ外国と比べてひどい」と主張することに問題はないものの、多くの人々が知りたがっているのはゴーン氏の罪について。それらよりも先に語ったことで同情を買うことはなく、「議論のすり替えでは?」という疑念を抱かせてしまいました。記者会見で話す順番として明らかに不自然であり、感情的な自分目線だったのです。

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