新幹線開業まで3年、「境界駅」敦賀の試行錯誤 乗り換え980万人予想、新たな文化つくれるか

✎ 1〜 ✎ 40 ✎ 41 ✎ 42 ✎ 最新
拡大
縮小
在来線の敦賀駅(手前)と工事が進む新幹線敦賀駅=2019年11月(筆者撮影)

2020年が明けた。北陸新幹線は3月に金沢開業5周年を迎え、一方で敦賀開業が3年後、2023年春に迫る。新たな終点・敦賀は「鉄道と港のまち」をうたう、古代にさかのぼる「境界」の地だ。年間980万人と見込まれる乗換客にどう対応し、まちの基礎や文化をつくり直していくか。在来線と新幹線の「境界のまち」となる敦賀の模索が始まっている。

駅舎に災害対応機能

北陸線と小浜線の乗換駅・敦賀は1882(明治15)年に開業した。駅舎は小ぶりながら、昭和の香りを残す地下道と、2012年にリニューアルされたエレベーターやエスカレーターを併せ持つ。大阪から特急「サンダーバード」が湖西線・北陸線経由で、名古屋から「しらさぎ」が東海道線・北陸線経由で乗り入れる。ホームでは今なお、電球が付いた案内表示板が、到着する特急の種類を知らせてくれる。

この連載の記事一覧はこちら

駅前広場は、黒い柱やキャノピー(通路屋根)の鋭角的なデザインが印象的だ。こちらは2014年、駅舎と一体化している交流施設オルパークとともに整備された。交流施設は待合室機能と観光案内所、物販、多目的室などを備え、「駅を拠点にしたまちづくり」を意識した公民館の趣がある。季節を変えて訪れる都度、高校生たちが勉強する姿が目に留まった。こんな若者たちにとって居心地がよい駅は、地域の大切な財産だ。

在来線の敦賀駅。左手にソーラーパネルが見える。右手は交流施設オルパーク=2019年11月(筆者撮影)

タクシー乗り場の横、植え込みに設置されたソーラーパネルが目に留まった。あまり見かけない取り合わせだ。市によると、災害対応を視野に入れた設備だという。駅前広場の電力確保に加え、東日本大震災などを教訓として、災害時に駅利用者らが携帯電話を充電できる機能を備えている。鉄道駅の進化に驚かされる。

次ページ「要塞のような駅」
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
TSMC、NVIDIAの追い風受ける日本企業と国策ラピダスの行方
TSMC、NVIDIAの追い風受ける日本企業と国策ラピダスの行方
【動物研究家】パンク町田に密着し、知られざる一面に迫る
【動物研究家】パンク町田に密着し、知られざる一面に迫る
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
現実味が増す「トランプ再選」、政策や外交に起こりうる変化
現実味が増す「トランプ再選」、政策や外交に起こりうる変化
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT