米津玄師、2019年チャートを連覇した神がかり 「Lemon」大ヒットに、「パプリカ」もレコ大受賞

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一方、2019年発売の楽曲で大ブレイクを果たしたのは、2つのバンドである。

ピアノPOPバンド、Official髭男dism(オフィシャルヒゲダンディズム、通称ヒゲダン)の『Pretender』は3位。ラジオで最もオンエアされた楽曲で、ストリーミングで2位、ミュージックビデオも4位と健闘。特にストリーミングは年後半も数値を伸ばし、週間チャートトップを独走。あと数週間であいみょんの『マリーゴールド』をとらえる勢いだった。そのほか『宿命』も10位にランクインしている。

4位の『白日』はミクスチャーバンド、King Gnu(キングヌー)の楽曲だ。ストリーミングで3位となり、ミュージックビデオも多く視聴された。この2バンドはストリーミングを中心にデジタルで強く、紅白歌合戦の初出場も決まっているなど、さらにロングヒットとなる可能性がある。

それらとは対照的に、上位に関し、2018年と大きく変わったのはアイドルグループだ。AKB48乃木坂46などがトップ10に入っていたが、2019年は1組もない。握手券を武器にCDを発売週に大量に売り上げるアイドルよりも、ストリーミングやミュージックビデオで視聴され続けた楽曲が上位を占める結果になった。

韓流系グループにも変化が見られた。たとえば、女性グループのTWICEは2018年、上位30位に5曲を送り込む大活躍だったが、2019年は1曲。BTS(防弾少年団)、IZ*ONEBLACKPINKを含めた韓国系グループは全体で13曲がランクインし、一大勢力であることに変わりはないが、チャート上位を席巻するほどの実績にはならなかった。

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2018年12月から加わった新指標のカラオケについても触れておきたい。旧譜がよく歌われるイメージがあるが、『Lemon』が1位を獲得したように、新曲も上位に多く登場し、ストリーミングに近い傾向がみられた。新曲は発売後、少し経ってからランクインするという。これはカラオケ配信の都合に加え、ストリーミングなどで曲を聴き込んでから歌う、という背景があるようだ。「カラオケは若い世代を中心に、ストリーミングと同様、新曲と出合う場にもなっている」(礒﨑氏)。

歴史的なチャートとなった2019年を経て、2020年はどのようなチャートになるのだろうか。2019年の動向から一段の活躍が期待されるのは、実はずっと真夜中でいいのに。ヨルシカといった女性ボーカルのアーティストという。

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